バイオハザード:ザ・ファイナル 

この映画を日本人として見る場合の最大の眼目は、なんといってもローラのハリウッドデビュー作ということだろう。あのお気軽娘(といっても、意外にしっかりしていることはお馴染み)が、このハードなSFシリーズでどういう活躍を見せるのか。事前の情報があまりなかったため、期待はいやがうえにも大きくならざるを得ない。
しかし、「事前の情報があまりない」というのは当然であった。なぜなら、映画の彼女の役柄もほぼ情報がないままに終わってしまうからである。いちおうコバルトというちゃんとした役名はあるのだが、出てきてひと言ふた言セリフを口にしたかと思うと、ゾンビにあっけなく殺されてしまうのだった。いったい名のために出てきたのか。少なくとも「オッケー!」くらいは言ってほしかったものである。

■RESIDENT EVIL: THE FINAL CHAPTER 2016年 アメリカ映画
監督・脚本:ポール・W.S. アンダーソン
製作:ジェレミー・ボルト、ポール・W.S. アンダーソン、ロバート・クルツァー、サミュエル・ハディダ
出演:ミラ・ジョボビッチ、アリ・ラーター、ショーン・ロバーツ、ルビー・ローズ、オーエン・マッケン、フレイザー・ジェームズ、ローラ、イ・ジュンギ、ウィリアム・レビ、イアン・グレン、エバー・アンダーソン


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女が眠る時 

このブログではタイトルの長さを基準にしてランダムにアップしているため、視聴した順番ではないのだが、ちょうどこの映画を見る前に『クリーピー』、そして『劇場版 MOZU』を見たため、奇しくも西島秀俊続きとなった。そしてビートのおじさんも続いた。そうやって連続してみて感じるのは、役者はまさに役を演じる人であるということだ。作品によって、その様相がガラリと変わるからだ。
昨今、「デ・ニーロ・アプローチ」なる摂生(考えようによっては不摂生)によって極度の体重増減で自分の姿形を役柄に合わせるという無謀が行われることが多いが、本当に役を演じきれれば、太っていようが痩せていようが、そのように見えてくるのではないだろうか……などと勝手に思ったりするのである。

■女が眠る時 2016年 日本映画
監督:ウェイン・ワン
原作:ハビエル・マリアス
脚本:マイケル・K. レイシンホ・リー、砂田麻美
出演:ビートたけし、西島秀俊、忽那汐里、小山田サユリ、リリー・フランキー、新井浩文、渡辺真起子、森康子、山口みよ子、松永大輔、井上肇、吉村眞乙、シェパード太郎、縄田智子、大蔵愛、中村純也、璃娃、折原怜、吉川政博、山本智康、妃宮麗子、家田侑樹


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クリーピー/偽りの隣人 

『ストロベリーナイト』の姫川と菊田コンビが夫婦になって再来である。彼女には刑事のときのタフな精神力はないが、犯罪者の意識に同調する性格は引き継いでいるように見える。その彼女を支える相方として、いわゆる「菊田パンチ」という必殺技で危機を乗り越えてきた西島が、今回もその力を発揮できるのかどうかが本作の眼目といえよう。
この作品中での敵は、昨今「怪優」ともいわれる香川照之である。またの名を九代目市川中車だ。少し前までは歌舞伎界における怪優といえば中村獅童が挙げられたが、どうもここのところ精彩を欠いているように思えるのは、おそらく菊谷に姫川を奪取されたことによる落胆からであろうと推測できる。彼の奮起に期待したい。

■CREEPY 2016年 日本映画
監督:黒沢清
原作: 前川裕『クリーピー』(光文社)
脚本: 黒沢清、池田千尋
出演:西島秀俊、竹内結子、川口春奈、藤野涼子、戸田昌宏、馬場徹、最所美咲、池田道枝、佐藤直子、笹野高史、齋賀正和、柳生拓哉、久保勝史、原田翔平、井上康、小林博、大谷智子、辻本瑞貴、筒井巧、東出昌大、香川照之


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劇場版 MOZU 

すでにテレビドラマとして放映されたストーリーに続く映画化ということらしい。私はそのドラマをまったく見ていなかったので、かなり飲み込みが悪く、おいてけぼり感を味わうはめになったのは仕方がないことか。連ドラ20回ともなれば、おのおののキャラクターもしっかりと確立されているようで、みな生き生きと演技をしているように感じたが、そのキャラの成長を見守れなかったのは悔しいかぎり。
普段は見るからに好青年という出で立ちの松坂桃李が、サイコな殺し屋として存在感を発揮しているのは注目に値する。それに対して、物語の重要なポジションを占める(らしい)ダルマと呼ばれる吉田駒夫という老人を演じたビートのおじさんはちょっと迫力不足。90歳までその支配力を維持する底知れぬパワーを漂わせることはむずかしいだろうけど。

■MOZU 2015年 日本映画
監督:羽住英一郎
原作:逢坂剛『百舌シリーズ』(集英社)
脚本:仁志光佑
出演:西島秀俊、香川照之、真木よう子、池松壮亮、伊藤淳史、松坂桃李、伊勢谷友介、阿部力、杉咲花、音月桂、マーシュ彩、平山祐介、五刀剛、岡本光太郎、篠川桃音、平澤宏々路、佐藤貢三、市川猿四郎、長峰由紀、安東弘樹、升田尚宏、佐藤渚、長谷川博己、小日向文世、ビートたけし石田ゆり子、小泉彩、信太昌之、佐藤賢一、宇田卓也、東山龍平、内川仁朗、寺本翔悟、岸本康太、井口尚哉、曽原義智、宮川連、縄田雄哉、佐伯かおる、村井亮、平木ひとみ、藤井祐伍、岡田和也、蔦宗正人、石井靖見、横田遼、向田翼、北村海、富永研司


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ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー 

これまで都合7作が公開されているSF映画の金字塔『スター・ウォーズ』シリーズの初のスピンオフ作品である。位置づけとしては、エピソード3とエピソード4のあいだをつなぐもので、とくに『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』開巻の10分前までが描かれるという。エピソード4というのは、つまりは『スター・ウォーズ』公開第1作(1977年)で、ここから現時点で40年になんなんとするSW伝説は始まったのだから、スター・ウォーズのファンでなくとも自然と心が躍るというものだ。
スピンオフといっても、キャラクターは十分すぎるほど揃っている。自分はとくに盲目の戦士チアルート・イムウェの存在感がピカイチ。その戦闘能力の高さに加え、東洋的な顔立ち(演じているのが中国人なので当然なのだが)は、どこか座頭市を連想させる。もともと『スター・ウォーズ』は黒澤映画『隠し砦の三悪人』から想を得ているらしいので、座頭市がいても世界観は揺るがない。
今回の主役ジンは、その顔立ちがどこかレイア・オーガナ姫に似ているように感じたのだが、これは偶然というか、私の思い込みで、どうやらストーリー的には血のつながりはないようだ。しかし、最後のレイアの登場には鳥肌が立った。ここから希望が生まれたのである。

■ROGUE ONE A STAR WARS STORY 2016年 アメリカ映画
監督:ギャレス・エドワーズ
製作総指揮:ジョン・ノール、ジェイソン・マクガトリン
原案:ジョン・ノール、ゲイリー・ウィッタ
脚本:クリス・ワイツ、トニー・ギルロイ
出演:フェリシティ・ジョーンズ、ディエゴ・ルナ、ベン・メンデルソーン、ドニー・イェン、マッツ・ミケルセン、アラン・テュディック、チアン・ウェン、リズ・アーメッド、フォレスト・ウィテカー、ジミー・スミッツ、ジュネヴィーブ・オライリー、アリスター・ペトリ、ベン・ダニエルズ、バリーン・ケイン、ジョナサン・アリス、イアン・マッケルヒニー、ファレス・ファレス、シャロン・ダンカン=ブルースター、ダンカン・パウ、アンガス・ライト、ガイ・ヘンリー、イングビルド・デイラ、ドリュー・ヘンリー、アンガス・マッキネス、ワーウィック・デイビス、アンソニー・ダニエルズ、ジェームズ・アール・ジョーンズ


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GANTZ:O 

基本的にアニメ作品は好んでは見ないのだが、これは実写版を見ている流れもあって手を伸ばした次第だ。この題材は確かにアニメ向きではあるのだろう。それはSFとしての現実感の乏しさが表現手段として、実写よりも自由な方法で描かれたほうが生きてくるからである。だが、それが逆にリアルを感じることができないという弱点にもなるのである。
最後まで私を見させた要素は全編にわたって話される関西弁と、声のかっこよさは主の見なければ一級品のケンドーコバヤシの低い渋み満載のボイスであった。

■GANTZ:O 2016年 日本映画
総監督:さとうけいいち
監督:川村泰
原作:奥浩哉
脚本:黒岩勉
声の出演:小野大輔、M・A・O、早見沙織、梶裕貴、郭智博、池田秀一、津嘉山正種、小野坂昌也、津田健次郎、小川輝晃、吉田尚記


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ネオン・デーモン 

本作のジャンルはスリラーとかサスペンスなどと紹介されているが、正直いってそれらの枠に収まっているのかどうかはよくわからない。新たな作品が既存のジャンルに入れられず、無理やり当てはめるということはよくあるが、この作品もどうやらそれに類するもののようだ。怪しい(いや、むしろこの場合は妖しい、か)雰囲気にスリラー色は感じるが、猥雑なファッション界の毒々しい色使いと、そして何はともあれ主演のエル・ファニングの変貌ぶりに目を奪われるため、ジャンル云々は二の次になってしまう。
自分はその業界を知らないが、何にしても「裏側」はあるわけで、デフォルメされていようが、知らない世界を覗くピーピング嗜好が満たされれば、この映画は成功といっていいのであろう。

■THE NEON DEMON 2016年 アメリカ/フランス/デンマーク映画
監督・原案:ニコラス・ウィンディング・レフン
脚本:ニコラス・ウィンディング・レフン、メアリー・ローズ、ポリー・ステンハム
出演:エル・ファニング、キアヌ・リーブス、クリスティナ・ヘンドリックス、ジェナ・マローン、アビー・リー、デズモンド・ハリントン、ベラ・ヒースコート、カール・グルスマン


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