デイブ・メイド・ア・メイズ 

正直なところ、さっぱり理解できない。かろうじてわかるのは、ジャンル的にはコメディーなのであろうということくらいだが、それでも笑いどころがはっきりしない。はたしてこれはお国柄なのだろうか。アメリカの人たちはこれでゲラゲラ笑っているというのだろうか。だとしたら、この方面ではアメリカ人と友だちになるのはむずかしいと思わざるを得ない。
段ボールアートは興味深い。セット代を安く済ませることができるという利点もあるだろうが、あれだけのものをつくるとなると、かなりの手間だ。その苦労を考えると、ひとつひとつのシーンに重みが出てくる。ときにゴアな描写もあるが、それさえ手づくりの血しぶきで緩和されているので、スプラッター好きの人には拍子抜けかもしれない。
なお、劇中には日本が発祥と思われる折り鶴が随所に登場する。しかしその意味はやはり不明。

■DAVE MADE A MAZE 2017年 アメリカ映画
監督・脚本:ジョーダン・ピール
出演:ダニエル・カルーヤ、アリソン・ウィリアムズ、ブラッドリー・ウィットフォード、ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ、スティーブン・ルート、キャサリン・キーナー


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TSUKIJI WONDERLAND/築地ワンダーランド 

築地は確かにワンダーランドだ。タイトルに偽りはない。ここに映し出された人たちは、つまりは魔法使いである。そう言いきってもいいくらい、私たちは長い歴史の中で築地市場の恩恵に浴してきた。この生き生きとした活況を呈する市場もとうとうその歴史に幕を下ろすときがきた。そのタイムリミットを示すカウントダウンはすでに始まっている。
はたして豊洲という土地で、第二の築地、もしくは新たなシステムによって構築された新市場は効率的に稼動するのだろうか。豊洲の未来の姿を構想するためにも、そしていまの筑地での伝統に支えられたプロフェッショナルの人たちの姿を後世に伝えるためにも、撮られるべくして撮られた一作であるといえよう。

■TSUKIJI WONDERLAND 2016年 日本映画
監督・脚本・編集:遠藤尚太郎
音楽:Takahiro Kido
出演:テオドル・C. ベスター、犬養裕美子、山本益博、服部幸應、道場六三郎、小野禎一、レネ・レゼピ、小野二郎、油井隆一、長山一夫、中澤圭二、斎藤孝司、早乙女哲哉、樋口一人、石川秀樹、新田亜素美、リオネル・ベカ、村島輝樹、渡邊浩二、奥田透、神田秀次郎、森田釣竿、岩村暢子、阿部智之、河畑宏司、鶴貝静雄、浜野京、山口宏巳、小栗初世、ジェローム・ワッグ、田村隆、長崎寿夫、向井一哉


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ヘイトフル・エイト 

西部劇といいながらもほぼ1シチュエーションで、えんえんと続く会話劇となっている。 ガンアクションを期待して見はじめた人には多少退屈だろうが、それで気もそぞろに流し見をしてしまうと、いろいろなところに張られた伏線を見落とすことになり、ハードなシーンとともに展開されるラストに向かっての伏線回収の楽しみが激減すると思われる。
そう、私のように。同じ轍を踏まぬようにお伝えしておきたい。長い映画だが、気を張って画面に集中して見るのがよい。

■THE HATEFUL EIGHT 2015年 アメリカ映画
監督・脚本:クエンティン・タランティーノ
出演:サミュエル・L. ジャクソン、カート・ラッセル、ジェニファー・ジェイソン・リー、ウォルトン・ゴギンズ、デミアン・ビチル、ティム・ロス、マイケル・マドセン、ブルース・ダーン


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ひるね姫/知らないワタシの物語 

この手のちょっとSF色を風味としてまぶしたアニメ作品というのは、例の大ヒット映画以降の近年の流行りで、いろいろな設定がつくられはするが、なんとなく手垢がついているようなものばかりに感じるのは気のせいだろうか。だからといって、「これはこの映画の設定のパクリ」というように明確な例をあげられるわけではないのだが、いろいろとまぜこぜにしてしまっているがために、けっきょく出来上がりの味は似たようなものというようなことになっているのではないか。
本作も「昼寝」をキーポイントとして、現実と夢の世界で展開されていくストーリーがじょじょに融合していく様は、なにかしらの既視感がある。それは陳腐ともいえるし、ある意味、安定感を醸し出してもいるので、けっしてマイナスの効果だけがあるわけではないのだが。

■ひるね姫/知らないワタシの物語 2017年 日本映画
監督:神山健治
アニメーション制作:シグナル・エムディ
演出:堀元宣、河野利幸
原作:神山健治
脚本:神山健治
キャラクター原案:森川聡子
エフェクト作画監督:竹内敦志
作画監督:佐々木敦子、黄瀬和哉
主題歌:高畑充希(森川ココネ)『デイ・ドリーム・ビリーバー』
デザイン原案:コヤマシゲト
声の出演:高畑充希、満島真之介、古田新太、釘宮理恵、高木渉、前野朋哉、清水理沙、高橋英樹、江口洋介、白鳥哲、松田健一郎、西村知道、岩崎ひろし、富岡美沙子、内田雄馬、白熊寛嗣、各務立基、斎藤志郎、長谷川芳明、徳島えりか、安村直樹、佐藤正治、斉藤次郎、後藤ヒロキ、浜添伸也、芽衣、興津和幸、松浦義之


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3月のライオン/前編・後編 

1本が長いうえに、さらに前編と後編である。しかも題材が将棋だ。いくら最近は藤井青年の活躍によってブームだからといって、やはり地味な世界である。そう思いつつも、なんだかんだいいつつ前後編を見通してしまったのは、ひとつには子どものころから親しんでいる神木隆之介がとても感じのよい青年に成長した姿を見ることができることと、もうひとつには最近気になっている倉科カナも目にすることができるからだろう。
なお、いくらなんでも染谷将太はやりすぎ。

■MARCH COMES IN LIKE A LION(前編) 2017年 日本映画
監督:大友啓史
原作:羽海野チカ(白泉社、ヤングアニマル連載)
脚本:岩下悠子、渡部亮平、大友啓史
キャラクターデザイン:澤田石和寛
主題歌:ぼくのりりっくぼうよみ『Be Noble』
将棋監修:先崎学
出演:神木隆之介、有村架純、倉科カナ、鈴木一輝、染谷将太、清原果耶、前田吟、高橋一生、岩松了、斉木しげる、中村倫也、尾上寛之、奥野瑛太、甲本雅裕、新津ちせ、板谷由夏、佐々木蔵之介、加瀬亮、綾田俊樹、森岡龍、西牟田恵、奥貫薫、小橋めぐみ、大西利空、萩原利久、原菜乃華、鈴木雄大、高月雪乃介、筒井真理子、前原滉、内田慈、芹澤興人、田中寅彦、久保利明、伊藤英明、豊川悦司、門倉啓太、井出隼平、佐々木大地、吉田ウーロン太、西郷みゆき、西村友美、森由佳、小林麻子、宮崎麻衣、工藤時子、橘家二三蔵、文山永京、鈴木雄一郎、土屋神葉、荒木誠


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■MARCH COMES IN LIKE A LION(後編) 2017年 日本映画
監督:大友啓史
原作:羽海野チカ(白泉社、ヤングアニマル連載)
脚本:渡部亮平、岩下悠子、大友啓史
キャラクターデザイン:澤田石和寛
主題歌:藤原さくら『春の歌』
将棋監修:先崎学
出演:神木隆之介、有村架純、倉科カナ、染谷将太、清原果耶、前田吟、高橋一生、岩松了、斉木しげる、中村倫也、尾上寛之、新津ちせ、板谷由夏、佐々木蔵之介、加瀬亮、綾田俊樹、森岡龍、西牟田恵、奥貫薫、小橋めぐみ、大西利空、萩原利久、原菜乃華、鈴木雄大、中田青渚、三好杏依、吉本菜穂子、小久保丈二、桐山清澄、田中寅彦、中座真、北島忠雄、飯塚祐紀、千葉幸生、伊勢谷友介、伊藤英明、豊川悦司、小久保丈二、吉本菜穂子、千葉幸生、本田大輔、竹森千人、瓜生和成、脇あい、大石さり、桜まゆみ、きぬ、小林万里子、原田沙百合、筒井巧、井川哲也、尾崎愛、佐々木一平、吉田ウーロン太、高桑満、小野ゆたか、鈴木大介


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きょうのキラ君 

ここのところ、この手のラブコメを見ているときの気持ちは苦痛でしかないが、原作および出演者のネームバリューによって同年代の支持をそれなりに集めているのであろう。そこにまぎれこむべきではなかったと、見たあとに気づいたが、すでに遅かりし。いつも結果的に「無駄な2時間を過ごしてしまった」という悔恨の思いを抱えることになる。といっても、経験しなければ悔恨となるか、思いがけないアタリとなるかはわからないのだから、キラ君に期待をかけるのもいいだろう。今回はそれがマイナスに転がったというだけだ。
さて、となると問題となるのは今後のキラ君だ。来年もしくは10年後のキラ君を考えるにはまだ早いが、向こう1週間くらいのキラ君については何かしらの予測をもって対すことが肝要である。

■きょうのキラ君 2017年 日本映画
監督:川村泰祐
原作:みきもと凜『きょうのキラ君』(講談社コミックス別冊フレンド)
脚本:中川千英子
脚本監修:松田裕子
主題歌:[Alexandros]『今まで君が泣いた分取り戻そう』
出演:中川大志、飯豊まりえ、葉山奨之、平祐奈、岡田浩暉、三浦理恵子、安田顕、津田寬治、松嶋亮太、川上洋平([Alexandros])、高橋茂樹(サバンナ)、宮城大樹、西條裕美、生越千晴、横山涼、加弥乃、塗木莉緒、テット・ワダ、松本大志、笠松将、高橋直人、星名美雨、春川桃菜、金子大地、小林万里子、遊馬萌弥、赤楚衛二、瀬口美乃、勧修寺保都、中村太郎、北原帆夏、税所ひかり、白石聖、都丸沙也華、梁川夕輝菜、里於奈、山田菜子、みゅう、西野凪沙、田中茉利香、早乙女ゆう、小林瑠璃、石崎日梨、東拓海、田代安里、高橋大悟、齋藤真矢、雲平、小笠原奨吾、佐藤絵美里、今田実里、石川路子、高橋友里恵、桐山真彩子、大嶋有加莉、高橋空、朝日奈丸佳、金子桃々彩、田中悠愛


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彼らが本気で編むときは、 

生田斗真がトランスジェンダーの女性役に挑んだ意欲作。と簡単に書いてしまえるような内容ではない。たとえば松坂桃李が『ピース オブ ケイク』でオカマ役を演じていたりするが、それとは一線を画する。トランスジェンダーの気持ちを理解するのは、自分がトランジェンダーでなければ難しいので、ストーリー設定になかなか入っていけない人も多いかもしれない。そこに家族という、これまた一筋縄ではいかない人間関係の問題が持ち込まれれば(というか、これは社会的に考えれば切っても切れない関係なのだろう)、もし自分がその立場だったら、と考えてみることで、やっとなにかしらの共感が湧いてくる。
ミムラ、小池栄子、門脇麦など、キャスティングもハマっているが、そのなかでもひさびさにその姿を見た気がする田中美佐子が、さばさばした気性のお母さんを演じていて小気味よい。

■彼らが本気で編むときは、 2017年 日本映画
監督・脚本:荻上直子
出演:生田斗真、桐谷健太、柿原りんか、ミムラ、小池栄子、門脇麦、柏原収史、込江海翔、江口のりこ、高橋楓翔、品川徹、りりィ、田中美佐子、遊屋慎太郎、鈴木里奈、佐伯眞奈、藤村優輝。錦辺莉沙、若林星弥、原田麻由、黒田大輔、児玉貴志、井上肇、肱黒尚子、三代達也、梅垣又、ヤス増田、今井結香、藤本知、小川正、阿部大将、志賀篤子、香坂有美、穐山ユウ子、三木結香、安藤彩、高村凪、西山天啓、月乃帆風、小野原春香、荒木礼子、高加美和、市川宗二郎、六車聡、後庵良司、林真由、和田洋一、松澤裕子、本田幸子、山田初枝、市川ゆう、妹尾マリコ、大谷麻衣、谷口歩、加藤恵三、近藤笑菜、坂口比奈乃、いとう祐子、藤牧ゆうこ、吉村礼子、水川美波、羽原寛子、斉藤崇利、北清久枝、太一、木村新吾


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