美女と野獣 

何の前情報もなく見たのだが、それで初めて本作がミュージカルだったことを知る。基本的に突然なんの脈絡もなく(いや、脈絡はあるのだろうが)歌い出すミュージカルというジャンルはどうも苦手で、歌っているあいだは第三者的な冷めた目で見ることになり、映画の楽しみを味わうことができなくなるのである。それでもなんとか最後まで見ることができたのは、「美女と野獣」というよく知ったお話だったからであろうか。
それにしても野獣と訳されるビーストが、ビーストでありながらイケメンである。もちろんラストでかっこいい王子さまに戻るわけだが、その人間に戻ったときの顔よりもビーストのときのほうがイケメンに見えるくらいで、その部分でこの物語の重要な骨子である「ビーストの状態で愛されるか」ということの説得力に欠けていたといわざるを得ない。

■BEAUTY AND THE BEAST 2017年 アメリカ映画
監督:ビル・コンドン
脚本:エバン・スピリオトポウロス、スティーブン・チョボスキー、ビル・コンドン
オリジナル脚本:リンダ・ウールバートン
出演:エマ・ワトソン、ダン・スティーブンス、ルーク・エバンス、ケビン・クライン、ジョシュ・ギャッド、ユアン・マクレガー、スタンリー・トゥッチ、イアン・マッケラン、エマ・トンプソン


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パトリオット・デイ 

2013年のボストンマラソンで起きた爆弾テロ事件の顛末を描く。当時の実際のニュース映像もかなりの衝撃で記憶に色濃く残っているが、そのドキュメントにどれだけ人工の映画が近寄れるかがひとつのキモとなろう。
さらに注目すべきは、本作のタイトルにもなっているパトリの夫である。彼が爆破事件によってどのような変貌を遂げ、パトリとの離れた心の距離をどのように取り戻していったか、そして最終的に迎える「パトリの夫の日」がどういう一日だったのかという点について、妻のパトリの目を通して語られるシーンは見逃せない。
はたしてパトリの夫は当日、黒い帽子をかぶっていたのか、それとも白い帽子をかぶっていたのか。ハラハラしながらも画面から目が離せなくなること請け合いである。

■PATRIOTS DAY 2016年 アメリカ映画
監督:ピーター・バーグ
脚本:ピーター・バーグ、マット・クック、ジョシュア・ゼトゥマー
出演:マーク・ウォールバーグ、ジョン・グッドマン、ケビン・ベーコン、J.K. シモンズ、ミシェル・モナハン


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怒り 

どうやら本作の元となるものは、2007年に起こった「市橋事件」らしい。この事件の発生から2年以上にわたる犯人の逃亡生活など一連のニュースは大々的に、そしてセンセーショナルに報じられ、「市橋ギャル」などという妙な流行まで生み出したため、すでに事件発生から10年が経つというのに印象的に記憶に残る。
そしてその後も逃亡生活の全貌が明らかになるにつれて、テレビのドキュメンタリーで取り上げられ、そこで再現フィルムがつくられたり、またディーン・フジオカの監督・主演による『I am ICHIHASHI 逮捕されるまで』も制作されている。それらのドラマ仕立ての映像を見ていることもあって、本作の同じようなシーンは、本来であればショッキングな場面であろうが、どうにも既視感が強く、「あれ?もしかしてこの映画、もう見たっけ?」とまで思ってしまうほどであった。

■怒り 2016年 日本映画
監督・脚本:李相日
原作:吉田修一『怒り』(中央公論新社)
脚本:李相日
音楽:坂本龍一
出演:渡辺謙、森山未來、松山ケンイチ、綾野剛、広瀬すず、佐久本宝、ピエール瀧、三浦貴大、亀山百伽、高畑充希、原日出子、池脇千鶴、宮崎あおい、妻夫木聡、田中隆三、寺井文孝、笹岡サスケ、有福正志、水澤紳吾、赤江珠緒、須藤温子、大谷幸広、青柳尊哉、カン・ソンヒョ、片野晴道、神崎英敏、山口真孝、高宮城実人、犬養憲子、粟田麗、マイキー、ボビー・ジュード、亀山愛、原宗史、朱雀ガラティア、久保田傑、日向寺雅人、海老澤健次、美洋煌、岩永洋昭、松浦祐也


IKARI

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SING/シング 

アニメのミュージカルである。ミュージカルのいきなり歌い出すわざとらしさが馴染めないのであるが、アニメであれば、そのわざとらしさが薄まるような気もすれば、逆に意図的な作画でわざとらしさ倍増の可能性もあるということにも警戒しながら視聴。このように見る前はなんだかんだと思っていたのだが、わりとすんなりとこの世界観に入ることができたのは、アニメミュージカルは前者の例だったのかもしれない。
ストーリーとしてはどことなく『天使にラブ・ソングを…』もしくは『スクール・オブ・ロック』を思わせるエピソードもあり好感が持てるが、それにしてもブタの数が多い。一般的にキャラクターとしてのブタはかわいくて好きなのだが、こいつらは数が多すぎでひたすらうざいだけである。

■SING 2016年 アメリカ映画
監督・脚本:ガース・ジェニングス
声の出演:マシュー・マコノヒー、リース・ウィザースプーン、セス・マクファーレン、スカーレット・ヨハンソン、ジョン・C. ライリー、タロン・エジャトン、トリー・ケリー、ニック・クロール、ガース・ジェニングス、ジェニファー・ソーンダース、ジェニファー・ハドソン、ピーター・セラフィノウィッツ、ベック・ベネット
声の出演(日本語吹替版):内村光良、MISIA、長澤まさみ、大橋卓弥、斎藤司、山寺宏一、坂本真綾、田中真弓、宮野真守、大地真央、石塚運昇、谷山紀章、水樹奈々、木村昂、村瀬歩、柿原徹也、重本ことり、佐倉綾音、辻美優、河口恭吾


SING

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ゴースト・イン・ザ・シェル 

『攻殻機動隊』が原作とのことだが、この漫画作品、もしくはアニメもまったく見たことがないので、これら日本発信の世界がどこまで再現されているのか、もしくは脚色されているのかはまったくわからない。それでも贔屓のスカーレット・ヨハンソンが主演なので、それなりに見ることができた。ただ裸のように見える“甲殻”がゴツいために彼女のプロポーションが楽しめなかったのと、黒髪によってちょっとイメージが悪くなってしまったことが悔やまれる。そういえばトム・クルーズ主演の2014年緒映画『オール・ユー・ニード・イズ・キル』も日本のライトノベルが原作であったが、それも原作を知らずに見てけっこう楽しめた覚えがある。
特筆すべきは、桃井かおりは英語で喋っても桃井かおりの雰囲気を保っているのであった。さすがである。

■GHOST IN THE SHELL 2017年 アメリカ映画
監督:ルパート・サンダーズ
製作総指揮:ジェフリー・シルバー、藤村哲哉、野間省伸、石川光久
原作:士郎正宗
脚本:ジェイミー・モス、ウィリアム・ウィーラー、アーレン・クルーガー
出演:スカーレット・ヨハンソン、ビートたけし、マイケル・カルメン・ピット、ピルー・アスベック、チン・ハン、ジュリエット・ビノシュ、ラザラス・ラトゥーリー、ダヌーシャ・サマル、泉原豊、タワンダ・マニーモ、ピーター・フェルディナンド、ピート・テオ、福島リラ、桃井かおり


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LOGAN/ローガン 

これまでの「X-MEN」シリーズとは雰囲気の違ったディストピアな世界観を持つ近未来が舞台であり、ヒュー・ジャックマンのウルヴァリン最終作とされる。本作ではローガンはひげもじゃの爺さんになっている。そこにはこれまでのスピンオフ作品や「X-MEN」で見せた爽快感はない。また、もっこりとしたヒゲも、最後の見せ場のためにたくわえていたことが判明する。その舞台づくりは伏線としてばっちりと整えられていっていたのである。
本作の敢闘賞は文句なくダフネ・キーンに与えられる。はじめは土屋アンナに瓜二つの容貌がなじみにくく、キャスティングに疑問符がついていたが、ラストに見せた「あの表情」を持っているからこそ、彼女が選ばれたのであろうことが納得できる。今後、ダフネがローガンの十字架(もしくはそれを斜めにしたX)を背負っていくのかどうかはわからないが、ローガン2世として続編がつくられるなら賛成である。

■LOGAN 2017年 アメリカ映画
監督・原案:ジェームズ・マンゴールド
脚本:マイケル・グリーン、スコット・フランク、ジェームズ・マンゴールド
出演:ヒュー・ジャックマン、パトリック・スチュワート、リチャード・E. グラント、ボイド・ホルブルック、スティーブン・マーチャント、ダフネ・キーン


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スーパーヒーロー大戦GP/仮面ライダー3号 

自分としてはもちろん1号、2号もスーパーヒーローなのだが、それをしのぐ存在がV3である。仮面ライダーの歴史はここでピリオドを打たれたといってもいいくらいのかっこよさであったことは信じて疑わない。それは、1号と2号の色合いのラインナップから方向転換して、赤い仮面に明るめの緑色のコーデに変更されたことも影響しているのかもしれない。
しかし、仮面ライダーの歴史は消えそうでいながら平成に入って盛り返し、コーデ云々を吹き飛ばすほどに形を変えて存続してきたのである。今回はある意味、V3の存在をを否定するかのような3号を筆頭に、その歴代のライダーが勢揃いするわけだが、V3のコスチュームの少し蛍光色っぽい黄緑色にはもの申したい。いくらなんでも明るすぎである。
なお、勢揃いしたのは歴代仮面ライダーだけではない。何レンジャーだか知らないが、最後にはいわゆるゴレンジャー系のヒーローまで登場。これでは異種格闘技戦、もしくは乱交である。

■スーパーヒーロー大戦GP/仮面ライダー3号 2015年 日本映画
監督:柴崎貴行
アクション監督:宮崎剛
原作:石ノ森章太郎、八手三郎
脚本:米村正二
主題歌:及川光博『Who's That Guy』
出演:竹内涼真、中村優一、稲葉友、半田健人、内田理央、吉井怜、浜野謙太、井俣太良、天野浩成、江崎政博、佐藤光将、佐野代吉、倉田てつを、西川俊介、松本岳、中村嘉惟人、矢野優花、山谷花純、高田延彦、井手らっきょ、笹野高史、片岡鶴太郎、及川光博、上遠野太洸、椿隆之、森本亮治、北条隆博、クリス・ペプラー、関智一、大塚芳忠、稲田徹、河本邦弘、石川英郎、藤本たかひろ、江崎政博、佐藤光将、佐野代吉、澤田陸、小山涼介、長谷尚鋭、内田涼風、内田凛、大西広稀、大野龍成、鹿嶋栄良、高橋朔也、渡辺カレラ、小泉みゆき、野呂陽菜、菅家ゆかり、大竹唯里香、小澤薫、安楽有香理、辻将太、下川真矢、池田純太、加藤勉、岩井潤一、内山大輔、天貝学、青木清四郎、五十嵐勝平、片柏部浩正、目黒圭一、世名圭吾、山口真弥、山口仁美、佐伯啓、小久江友子、小豆畑佑二、塩月竜、長尾和彦、白井雅士、中山猛、神里まつり、森博嗣、松本直也、矢部敬三、五味涼子、野川璃穂、渡辺実、蜂須賀昭二、青木哲也、藤田慧、おぐらとしひろ、松本竜一、神前元、勝呂学、藤木かおる、村井亮、井口尚哉、田中慶、蜂須賀祐一、喜多川2tom、萬宗正人、岡田和也、永地悠斗、渡辺実、藤田洋平、大林勝、向田翼、北村海、今井晴彦、渡辺淳、高岩成二


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