チャック・ベリー/ヘイル・ヘイル・ロックンロール 

すでに自分が音楽を聴きはじめたころには前世紀の人という理解だったため、2017年のチャック・ベリーの訃報を聞いたときは、正直「まだ生きていたのか」という印象であった。自分にとってのチャック・ベリーは、本作と、彼の従兄弟(という設定)が出演している『バック・トゥ・ザ・フューチャー』くらしか接点がない。
それでもそのような過去の人と、自分にとってはまだ現在の人であるローリング・ストーンズのギタリスト、キース・リチャーズとのセッションは、ある意味で異種格闘技戦の様相があって見応えがあった。とくにキースがインタビューでも語っていた、チャックに注意を与えるシーンは必見といえよう。

■CHUCK BERRY HAIL! HAIL! ROCK'N ROLL 1987年 アメリカ映画
監督:テイラー・ハックフォード
製作: チャック・ベリー、ステファニー・ベネット
音楽:キース・リチャーズ
出演:チャック・ベリー、キース・リチャーズ、ジェリー・リー・ルイス、ブルース・スプリングスティーン


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2010年 

SF映画にモノリスとともに金字塔を打ち立てたといってもいい『2001年宇宙の旅』。その続編である。たいていの続きものは、少ない例外を除きほとんどが失敗をしている惨状を知っていれば、本作が「2001年」を超えることができなかったのは当然のことだとわかるだろう。つまりは2010年にはとうてい行き着かず、せいぜい1990年くらいが限度ではないか。それでも1984年の製作ということを考えれば、6年ほどは未来に飛んでいるのでSFとしては成り立っているといえるだろう。
よくわからないことを書き連ねているのはいつものことではあるが、この映画を見たのがはるか昔で、その内容をほとんど覚えていないことに起因する。本作よりも以前に見ている『2001年』はかなり鮮明に記憶に残っていることを考えれば、つまりはその程度の作品であったということであろう。

■2010 1984年 アメリカ映画
監督・製作・脚本:ピーター・ハイアムズ
原作:アーサー・C. クラーク
出演:ロイ・シャイダー、ジョン・リスゴー、ヘレン・ミレン、ボブ・バラバン、ケア・デュリア、ダナ・エルカー、マドリン・スミス、ジェームズ・マクイーチン、メアリー・ジョー・デシャネル、エリヤ・バスキン、サベリ・クラマロフ、オレグ・ラドニック、ナターシャ・シュネイデル、タリセン・ジャフィー、ウラジミール・スコマロフスキー、ビクトル・シュタインバッハ、ジャン・トリスカ、ラリー・キャロル、ハータ・ウェア、アーサー・C. クラーク
声の出演:ダグラス・レイン、オルガ・マルスネード


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殺意の夏 

イザベル・アジャーニがその小悪魔的魅力を遺憾なく発揮した一作として記憶に残る。その可憐な容姿はまさに妖精である。しかも全体にわたって露出度が高く、いろいろなシーンでポロポロと見えているので、画面から目が離せなくなる。
ただ本作は単なる彼女のお色気作品ではない。そこに彼女の出生の秘密をからませたサスペンスを両立させる。人によっては、この艶気とハラハラ感に乖離を感じてしまって評価が低くなる人もいるようだ。だが、ここにもうひとつ、彼女の計算力の高さが立証された一作という評価も加えればどうだろう。3547+8768は12315であり、9322+7825は17147になるのである。

■L' ETE MEURTRIER / ONE DEADLY SUMMER 1983年 フランス映画
監督:ジャン・ベッケル
原作・脚本:セバスチャン・ジャプリゾ
出演:イザベル・アジャーニ、アラン・スーション、シュザンヌ・フロン、フランソワ・クリュゼ、ジェニー・クレーブ、マリア・マチャド、イブリーヌ・ディディ、ジャン・ガバン、マニュエル・ジェラン、ロジェ・カレル、ミシェル・ガラブリュ、エディット・スコブ


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ルパン三世/カリオストロの城 

記録によると、1980年のテレビ初放映からこれまですでに20回近く放送しており、そのほぼすべてで視聴率が10パーセント以上を記録しているようだ。その衰えぬ人気は、とりもなおさず「名作」という言葉に置き換えられるのであろう。その名作を、私は「ちゃんと」見ていないのである。しかしこれだけの放映回数だ、いろいろなシーンを飛び飛びで目にしており、それらをトータルすると、おそらく全編を通して見ている算段になるのではないか。
人気作であり、これまでに何回も見ている人も多数ではあろうけど、そこに加えて私のような「見たような、見ていないような、でもそう言いながらいつの間にか全部見ている」という人もいるであろうことは容易に想像できるのである。

■THE CASTLE OF CAGLIOSTRO 1979年 日本映画
監督:宮崎駿
原作:モンキー・パンチ
脚本:宮崎駿、山崎晴哉
作画監督:大塚康生
声の出演:山田康雄、小林清志、増山江威子、井上真樹夫、納谷悟郎、島本須美、石田太郎、宮内幸平、永井一郎、山岡葉子、常泉忠通、梓欽造、平林尚三、寺島幹夫、野島昭生、鎌田順吉、阪脩、松岡重治


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エーゲ海に捧ぐ 

池田満寿夫大先生の原作・監督・脚本による大作である。その幻想的な世界は、著者自身の監督によって見事に映像化されたといってよいだろう。美しいエーゲ海の風景が耽美な世界観にマッチして、幻想的な風景を彩る。そこを舞台として演じるのは、のちにイタリアの国会議員にまでのぼりつめるポルノ女優チッチョリーナ。なんとも話題豊富な異色作ともいえる。
池田満寿夫といえば、東洲斎写楽の別人説でその正体探しが流行ったときに、芸術家の直感で「写楽は役者中村此蔵」と喝破したことに驚いたことが記憶に残る。(私は「斎藤十郎兵衛説」を指示するが)その真偽はいまだはっきりしない。もしかしたらその「芸術家の直感」が証明されるときもくるかもしれない。

■DEDICATO AL MARE EGEO 1979年 日本/イタリア映画
監督・原作・脚本:池田満寿夫
音楽: エンニオ・モリコーネ
出演: イロナ・スターラ(チッチョリーナ)、クラウディオ・アリオッティ、サンドラ・ドブリ、オルガ・カルラトス、ステファニア・カッシーニ、マリア・ダレッサンドロ、ラウラ・タンジアーニ


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ビッグ・ウェンズデー 

現在もてはやされている「細マッチョ」だが、そのもっとも先駆けとなっているのが、この映画におけるジャン=マイケル・ビンセントだったのではないか。その涼しげなルックスに、シックスパックに割れた腹筋を惜しげもなく披露したポスターは、当時の若者のDNAに深く刻まれていたのである。そのときの細胞レベルの記憶がいまになって発動しているのである、きっと。またサーフィンを主題にした青春映画としても、かなり初期の画期として記憶されてよい作品であろう。
そんな青春像を描いたジャン=マイケル・ビンセントは、次作の『グレート・スタントマン』でバート・レイノルズと張り合う血気盛んな若者を演じたのち、華やかな活動は影を潜める。先日、ふと気になって現在の彼をネット上で追ってみたら、『ソウル・サーファー』ではないが足を切断する事態に陥るなど、紆余曲折の人生を送ってきたようで、「涼しげなルックス」かな年輪を重ねた風貌に変わっていた。

■BIG WEDNESDAY / SUMMER OF INNOCENCE 1978年 アメリカ映画
監督:ジョン・ミリアス
脚本:ジョン・ミリアス、デニス・アーバーグ
出演:ジャン=マイケル・ビンセント、ウィリアム・カット、ゲイリー・ビューシイ、リー・パーセル、バーバラ・ヘイル、パティ・ダーバンビル、サム・メルビル、ダレル・フェティ、ジェリー・ロペス、ハンク・ウォーデン、ジョー・スピネル、スティーブ・カナリー、フラン・ライアン、デニス・アーバーグ、レブ・ブラウン、ロバート・イングランド


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惑星大戦争 

当初は本作が『スター・ウォーズ』となるはずだったのだ。それが微妙なタイミングでジョージ/ルーカスに席を越されてしまったがため、このようなタイトルにせざるを得なかった。本来ならば、この作品がSWシリーズの第1作として、その後現在に至るまで脚光を浴び、そして第2作、第3作と長大なスペース叙事詩の歴史を形作るはずだったのである。
もしサイコロの転がり方が少しでも違っていれば、主演の森田健作はハリウッドスターとなっていただろうから千葉県知事にはなっていなかったであろうし、このあとにトレンディードラマでW浅野などともてはやされることになる浅野ゆう子も、まったく異なる道を歩んでいたことだろう。さらにいえば、沖雅也の人生も。彼の現代での活躍が見られないのは返す返すも残念である。

■THE WAR IN SPACE 1977年 日本映画
監督:福田純
原案:神宮寺八郎
脚本:中西隆三、永原秀一
出演:森田健作、浅野ゆう子、沖雅也、池部良、新克利、宮内洋、デビッド・ペーレン、兼松隆、大滝秀治、平田昭彦、ウィリアム・ロス、森田川利一、睦五郎、橋本功、遠藤剛、中山昭二、山本亘、直木悠、竹村洋介、末宮慎一、川端真二、吉田耕一、早田文次、江藤純一、村嶋修、大谷進、瀬戸山功、菊地大


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ミスター・グッドバーを探して 

いまやいいおばあさんとなったダイアン・キートンだが、40年前の若かりしころは盛んに夜の町に繰り出して自分好みのグッドバーを探していた。一般的には、そのころのパートナーであったウッディ・アレンがそのグッドバーの持ち主として理解されよう。彼はそのストーリーテラーとしての才だけでなく、フィジカル的にも充実していたのである。
映画では売り出し前のリチャード・ギアがそのバーの役を担っていたが、はたして天は実際に彼に二物を与えているのかはシンディ・クロフォードあたりに聞かないとわからない。

■LOOKING FOR MR. GOODBAR 1977年 アメリカ映画
監督・脚本:リチャード・ブルックス
原作:ジュディス・ロスナー
出演:ダイアン・キートン、リチャード・ギア、ウィリアム・アザートン、チューズデイ・ウェルド、リチャード・カイリー、トム・ベレンジャー、プリシラ・ポインター、アラン・ファインスタイン、ローリー・プランジ、ジョエル・ファビアーニ、ジュリアス・ハリス、リチャード・ブライト、レバー・バートン、ブライアン・デネヒー


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ハッスル 

いまでは「ハッスル」といえばショー的要素の強いプロレス団体のことを指すが、1975年当時はこの映画のことであった。またここから発して、「ハッスルする」というように用いられることで、はりきってコトを行う意で使われていた。同じような意味合いの欧米言葉としては「モーレツ」や「フィーバー」、「ガッツ」などがあったが、いずれにしろ、流行語となったからには、必然的に時が経てば死語となる運命にあったのである。
ときにバート・レイノルズ全盛期である。セックス・シンボルとして、その座に君臨していた、まさにそのときの主演である。『ロンゲスト・ヤード』の1年後、『トランザム7000』の2年前、いわゆる「脂ののりきった時期」である。またカトリーヌ・ドヌーブもこぼれ落ちるような色気を発している。いまやジジイ、ババアとなってしまった2人しか知らない方は、ぜひこのころの作品を見てほしい。惚れるぞ。

■HUSTLE 1975年 アメリカ映画
監督・製作:ロバート・アルドリッチ
脚本:スティーブ・シェイガン
出演:バート・レイノルズ、カトリーヌ・ドヌーブ、ベン・ジョンソン、アイリーン・ブレナン、アーネスト・ボーグナイン、エディ・アルバート、キャサリン・バック、ロバート・イングランド、ディック・ミラー


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宇宙大怪獣ドゴラ 

史上初の「宇宙怪獣」として、その地位は揺るがないが、名称だけが先行して称えられている感があり、それはとりもなおさず怪獣としての存在感がないという一点に尽きる。もっと、いわゆる怪獣怪獣した怪獣であれば、現在も映像とともに取り上げられる機会が多くなっていただろうし、それだけ知名度も上がっていたことだろう。しかし、クラゲのようなモヤモヤとした造形ではインパクトに欠け、人びとの興味の対象には遠く及ばない結果とならざるを得ない。
さらには、映画のストーリーとしてはドゴラを中心にした怪獣撃退物語ではなく、宝石強盗団などのサイドストーリーのほうが極端に膨らんでしまっていては、いかに強靱な力を持つ宇宙怪獣であろうと太刀打ちできないのであった。

■DOGORA-THE SPACE MONSTER 1964年 日本映画
監督:本多猪四郎
原作:丘美丈二郎
脚本:田実泰良、関沢新一
音楽:伊福部昭
特技監督:円谷英二
出演:夏木陽介、ダン・ユマ、中村伸郎、小泉博、藤山陽子、若林映子、藤田進、河津清三郎、田島義文、天本英世、加藤春哉、田崎潤、船戸順、桐野洋雄、若松明、坂本春哉、当銀長太郎、堤康久、岩本弘司、津田光男、熊谷卓三、広瀬正一、中山豊、上村幸之、土屋詩朗、鈴川二郎、坂本晴哉、澁谷英男、岡豊、千葉一郎、広田新二郎、伊原徳、岡部正、大前亘、宇野晃司


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8月13日から17日はお盆スペシャル 

8月13日から17日は「お盆スペシャル」と銘打ち、1日10本、全50本のお蔵出しとします。
通常のアップはわりと新しい映画をピックアップしてしまうので、どうしても古めの作品がたまりがち。
それらを「スペシャル」などと称して、一気に処理しようという、きわめてあくどい魂胆であります。
では1964年の作品『宇宙大怪獣ドゴラ』からスタート。