ミスターメタリック研究
お笑いコンビ「モンスターエンジン」によって紹介されながらも、まだその一部しか判明していない謎のヒーロー「ミスターメタリック」。混乱し危機に瀕する現代に、彼の再来を願う声は大きいが、はたして、ミスターメタリックの実力はどのくらいのものなのだろうか。
今回は、現在判明している登場シーンにおける彼の言葉をもとに、等身大のミスターメタリックに迫りたい。
「地球の平和を脅かすものがいるかぎり、私は現れつづける。身体は機械、心は人間。そう、私の名はミスターメタリック!助けに来たよ」
ここでわかることは、ミスターメタリックの活動範囲は日本だけにとどまらず、世界をその範疇に入れていることだ。ということは、移動速度はかなり速いことがわかる。加速装置が埋め込まれているのかもしれない。もうひとつ、見えてくるのは、人間の心を持ちながらもロボットとして生まれた悲しみだ。目から涙は出なくとも、きっと心では泣くことができるのだろう。
「機械のデータしか信用しないもの。機械を商売の道具にしか使わないもの。そして、機械の身体にされてもなお地球の平和を願うもの。その名はミスターメタリック!メンテナンスの途中だったが、いやな予感がしてね」
自分の身体が機械でありながらも、機械というものに真義をおいていない。それは自己否定につながっていくのだが、おそらく彼自身の売買でつらい目にあったのであろうことが想像される。メンテナンスの途中でも動けるということは、たいしたメンテナンスではないのであろう。
「人間にとっていちばん大切なもの、それは水。かつて人間だったころ飲んだあの水のおいしさを、私はいまも忘れてはいない。ガソリンしか飲めなくなった戦士、ミスターメタリック!琵琶湖の水を全部飲んだのはおまえか」
ここで驚異の事実が判明する。ミスターメタリックは、以前は人間だったのだ。だからこそ、心は人間だったのだ。まさか、つくられたロボットなのに、「もとは人間だった」という記憶を植えつけられたというわけじゃないだろうな。
「どうすればいいかは私が知っている。投げていいさじ、悪いさじ。外していいねじ、悪いねじ。燃やしていい街、悪い街。私は機械だが、その分別はつく。ミスターメタリック!かまわない。燃やしていい街なんてないからね」
このセリフには「さじを投げる」ということわざが織り込まれている。いわゆる「知識のひけらかし」であろう。ロボットでありながらも、頭がいいところを見せたいに違いない。また「燃やしてもいい町なんてない」と、ありきたりな道徳心を口にして、気を引こうとしているところも鼻につくように感じる。
「だめと思うからだめになるんだ。どれだけ臭くても、鼻をつまんで食べればいい。どれだけ長くても、折りたたんで直せばいい。どれだけ顔が機械でも、おしゃれな帽子をかぶればいい。いろんな帽子を持っています。ミスターメタリック!この帽子のときによく会うね」
臭ければ腐っている可能性があるので食べないほうがいい。それくらいのことがわからないのは、今日かぶる帽子の選択に気をとられているからであろう。ロボットの浅はかさが露呈した結果である。
「なぜ巨大化しないと決めつけたんだ。世の中でいちばん悲しいこと、それは決めつけること。そしてきみは、私が地下の要塞でひとり寂しく暮らしていると思っているんだろう。私は木造2階建てに3匹の猫と暮らしている。ミスターメタリック!」
人間の気を引くためには小動物を出せばいいと、どこかで教えてもらったようだ。しかも四畳半フォークのような生活感。見た目とのアンバランス感はいかんともしがたい。地下の要塞のほうがどれだけましか。
「これだけ呼ぶなら、私を仲間に入れたらどうだ。そういう話し合いをしている感じがひとつもない。ミスターメタリック!」
ここでとうとう本音が飛び出す。ロボットといえども堪忍袋の緒が切れたようだ。ロボットの場合の「堪忍袋の緒」が青色のコードか、赤色のコードかは知らないが、まちがったコードを切って爆発してしまえ。
「♪ いっさいお金もらわずに助けてばかり、割に合わない。今日は最終回らしいな。なぜ今日はピンチでない。私を無視する気だったな。くらえ、ハイパーメタリックガイザー!」
そして、ばけの皮がはがれる。要するに、その目的はお金だったのだ。なんとも浅ましいやつだったんだろう。その志の低さはあまりに悲しく、そしてさびしい。思えば、冒頭に書いた「泣いている心」は、この自分のさびしさに涙していたのであろう。
ミスターメタリックは、まだわれわれの前に現前していないが、できればテレビの向こう側だけで活躍してくれと願うばかりである。
- [2012/02/16 06:55]
- マクガフィン |
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