傷だらけの悪魔 

主人公葛西舞の母親(川原亜矢子)が劇中で発した言葉が印象的だ。「イワシになったらだめ」。この鑑賞後にも強烈に記憶に刻まれる印象に残る言葉のもとは、おそらくお笑い芸人の永野の「イワシになった人」というネタからインスパイアされたものではないか。彼のネタは旧来型のお笑いからするとネタともいえない不条理な言葉や動きから醸成されるのだが、この「イワシになった人」はその究極のかたちともいえ、ときに周囲の芸人をも巻き込んで大惨事を引き起こす。つまりはそれほどのパワーが秘められているのだ。
本作は「いじめ」という現代社会における重いテーマを扱ってはいるが、ときおりコメディー的な要素を挟むことで問題提起を広く行き渡らせようとする姿勢が見て取れる。そこに永野の「イワシになった人」だ。作品としてのパワーは十分といえよう。では何が足りなかったのか。ラッセンか、ゴッホか。

■傷だらけの悪魔 2017年 日本映画
監督:山岸聖太
原作:澄川ボルボックス
脚本:松井香奈
主題歌:滝沢菜々『NAI NAI NAI』
出演:足立梨花、江野沢愛美、加弥乃、岡田結実、藤田富、小南光司、仲谷香春、芋生悠、高野海琉、YUKINO、中島愛蘭、花影香音、福田愛美、吉増裕士、簑島宏美、岩井七世、川原亜矢子、葛西京子、宮地真緒、キタキマユ、NANA、AYUMI、杉本愛莉鈴、藤咲百恵、伊藤万理華、仙頭美和子、正木佐和、渡辺新、高橋ハジメ、蛭川怜奈、宮森まなみ、糸原美波、近藤笑菜、笹川一成、草川直弥、中西麻梨香、里菜、石川真衣、潮田理紗、星菜


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銀魂 

原作はコミックだが未読なので、この映画がまったくのファースト・コンタクトである。しかもどんな内容なのかも知らなかったので、これほどにギャグ的要素が詰め込まれているのであれば、逆にこれからマンガを読むのもありかなと思うほどに、お祭り的なおふざけが楽しい。
レビューなどを見ると、キャラクターの再現性も称讃されているようだが、なかでも来島また子役の菜々緒は、元キャラを知らなくても、彼女単体での魅力に溢れている。モデルを出発点としているそのナイスなスタイルを生かしながら、最近の幅広い活躍が融合した彼女の魅力には今後も注目したい。

■銀魂 2017年 日本映画
監督・脚本:福田雄一
原作:空知英秋(集英社「週刊少年ジャンプ」連載)
主題歌:UVERworld『DECIDED』
挿入歌:小栗旬『パッション』
出演:小栗旬、菅田将暉、橋本環奈、柳楽優弥、新井浩文、吉沢亮、早見あかり、ムロツヨシ、長澤まさみ、岡田将生、佐藤二朗、菜々緒、安田顕、中村勘九郎、堂本剛、大西統眞、田中悠太、萩原壮志、六角精児、山田孝之、山寺宏一、古畑星夏、一ノ瀬ワタル、高橋美佳子


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ドラゴン・ブレイド 

リン・ポンもかわいい相貌ではあるが、自分はどちらかといえばワン・ルオシンのほうが好みである。彼女を日本のタレントで形容するとしたら、杉本彩を若くした感じということでわかってもらえるだろうか。ただ注釈を加えるならば、「杉本彩を若くした感じ」というのは、「若いときの杉本彩」と同義ではない。つまり露出の多い衣装で「ゴージャス」を歌っていた杉本彩ではなく、いまやすっかりトウが立ってしまったが、、それでも大人の魅力を十分にたたえている杉本彩の、「トウ」だけをなくした感じなのだが、やけに説明的になってしまったため、けっきょくわかってもらえないかもしれない。
それに対してトウが立ちまくりのジャッキー・チェンはがっちりとのアイメイクを入れて役に挑んでいるが、その姿は「気持ち悪い」のひと言である。

■天降雄獅 / DRAGON BLADE 2014年 中国/香港映画
監督・脚本:ダニエル・リー
アクション監督:ジャッキー・チェン
製作:ジャッキー・チェン、スザンナ・ツァン
出演:ジャッキー・チェン、ジョン・キューザック、エイドリアン・ブロディ、チェ・シウォン、リン・ポン、シャオ・ヤン、ワン・タイリー、ミカ・ウォン、ジョゼフ・リュウ・ウェイト、ロリ・ペステ、スティーブ・ユー、ウィリアム・フォン、サミー・ハン、シャーニ・ビンソン


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ダイバージェント FINAL 

ダイバージェント』、そして『ダイバージェントNEO』でトーリ役を務めてきたマギー・Qは、本シリーズにおいて唯一といってもいいほど、自分にとっては見るモチベーションの元になっていたのだが、本作の最初のほうでとうとう敵の銃弾に倒れてしまう。彼女がいなくなってしまっては、そこからあとは惰性での鑑賞という態度にならざるを得ない。はなはだ残念だ。
FINALと銘打つからにはこれで終わりなのだろうけど、マギー・Q主演でトーリについてのサイド・ストーリーをスピンオフで制作してもらえないものだろうか。

■THE DIVERGENT SERIES: ALLEGIANT 2016年 アメリカ映画
監督:ロベルト・シュベンケ
原作:ベロニカ・ロス
脚本:ノア・オッペンハイム、アダム・クーパー、ビル・コラージュ
出演:シェイリーン・ウッドリー、テオ・ジェームズ、ジェフ・ダニエルズ、マイルズ・テラー、アンセル・エルゴート、ゾーイ・クラビッツ、マギー・Q、レイ・スティービンソン、ビル・スカルスガルド、ナディア・ヒルカー、オクタビア・スペンサー、ナオミ・ワッツ


DIVERGENT_FINAL_2016

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にがくてあまい 

派手さはないが、このところの川口春奈はかわいい。もちろん、勝手に「派手さはない」などと書いたが、実際に会ったとしたら、女優のオーラを感じることだろう。自分は彼女がバラエティーなどでFUJIWARA原西のギャグを披露したりしているところから好感を持っているのだが、それに加えて大人の美貌も兼ね備えてきたのだから、鬼に金棒である(この用例は間違っているかもしれないが)。さらに本作には彼女の母親役として石野真子ちゃんも出演。もしほんとうにこんな親子がいたら最強である。
その真子ちゃんの印象的だったセリフを書き出しておきたい。
林遣都が帰ったあとに、夫役の中野英雄の「かれはゲイなんだそうだ」という言葉を聞いて、真子ちゃん「あらま、攻めかしら、受けかしら」。

■にがくてあまい 2016年 日本映画
監督:草野翔吾
原作:小林ユミヲ『にがくてあまい』(マッグガーデン)
脚本:大歳倫弘
脚本監修:上田誠
撮影:小松高志
主題歌:OKAMOTO'S『Burning Love』
出演:川口春奈、林遣都、淵上泰史、桜田ひより、真剣佑、SU、中野英雄、石野真子、橋口勇輝、小手山雅、小川慶永、辻大地、北上史欧、謝花弘規、秋月三佳、渡部麻衣、安達美恵、上杉柊平、富山えり子、松本穗香、岩谷健司、じろう、コング桑田


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マグニフィセント・セブン 

当初は主演にトム・クルーズの名があがっていたらしい。そのほかにはマット・デイモン、ケビン・コスナー、モーガン・フリーマンなどの名前も。このメンバーでの共演が実現していたら、かなりのオールスタームービーができあがっていただろう。しかも1960年につくられた西部劇『荒野の七人』のリメイクである。それはつまり、さらに源流をたどるとクロサワ映画『七人の侍』に行き着くことを意味する。
実をいうと私はその昔に『七人の侍』は見ているが、あまりにいにしえすぎて記憶が定かではない。さらに西部劇はわりと見ているほうではあるが、『荒野の七人』は未見。あのころ、たしかイーストウッドのマカロニ・ウェスタンにハマり、一匹狼のかっこよさに魅了されたことで、「7人って多すぎない?」と思って避けたような気がする。48人が1グループのアイドルとなるような昨今においては、7人は多すぎでも少なすぎでもない、ちょうどいい人数であると感じる。

■THE MAGNIFICENT SEVEN 2016年 アメリカ映画
監督:アントワーン・フークア
脚本:ニック・ピゾラット、リチャード・ウェンク
出演:デンゼル・ワシントン、クリス・プラット、イーサン・ホーク、ビンセント・ドノフリオ、イ・ビョンホン、マヌエル・ガルシア=ルルフォ、マーティン・センスマイヤー、ヘイリー・ベネット、ピーター・サースガード


THE_MAGNIFICENT_SEVEN_2016

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マネーモンスター 

生放送中に銃を持った人が乱入。これは映画ではわりとあるようなシチュエーションだが、実際にはほとんどない。それだけに、本当の話だったらと思って見ると緊迫度が増すだろう。だが、スタジオにいる時間が長くなるにつれて、ジョージ・クルーニーが着せられた爆弾チョッキや男の手に握られているその起爆装置も忘れられがちとなる。
そもそも設定としてはどのくらい生放送は続けられていたのだろうか。それは少なくともストックホルム症候群を発症するくらいの時間であっただろう。その彼の思い入れがどこまで届くかというのがラストの見どころとなる。
なお、エピローグ部分にはジャネット・ジャクソンのサービスカットがある。こんなこともあったなと、相手役のジャスティン・ティンバーレイクとともにひさびさに思い出した次第。

■MONEY MONSTER 2016年 アメリカ映画
監督:ジョディ・フォスター
製作:ダニエル・ダビッキ、ララ・アラメディン、ジョージ・クルーニー、グラント・ヘスロブ
原案:アラン・ディ・フィオーレ、ジム・カウフ
脚本:ジェイミー・リンデン、アラン・ディ・フィオーレ、ジム・カウフ
出演:ジョージ・クルーニー、ジュリア・ロバーツ、ジャック・オコンネル、ドミニク・ウェスト、カトリーナ・バルフ、ジャンカルロ・エスポジート、クリストファー・デナム、レニー・ベニート、クリス・バウアー、デニス・ボウトシカリス、エミリー・ミード、コンドーラ・ラシャド、アーロン・ヨー


MONEY_MONSTER_2016

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