ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス 

前作に引きつづき、ウォークマンをはじめとして懐古趣味をも充足させるSF作品であり、それに加えて登場人物みなの笑いを誘うテイザーフェイスなど、コメディー・パートも楽しい。とくに特異な木の幹のキャラクター、ベビー・グルートはコミカルな面が強く、すべての言葉を「アイム・グルート」で表現するとことなどはオバケのQ太郎におけるO次郎の「バケラッタ」である。
ただシルベスタ・スタローンが出てくると、SF色が薄れ、B級アクション色が強くなるように感じるのはどうしたものか。過去には『ジャッジ・ドレッド』などのSF主演作もあるが、やはりアクション俳優としてのキャラクターはぬぐいきれないのだろう。
なお、マーベル映画お約束のエンディングロール後のおまけ映像は、「これでもか」のてんこ盛りなので、「終わった」と油断してはいけない。

■GUARDIANS OF THE GALAXY VOL. 2 2017年 アメリカ映画
監督・脚本:ジェームズ・ガン
製作総指揮:ルイス・デスポジート、ビクトリア・アロンソ、ジョナサン・シュワルツ、ニコラス・コルダ、スタン・リー
出演:クリス・プラット、ゾーイ・サルダナ、デイブ・バウティスタ、マイケル・ルーカー、カレン・ギラン、ポム・クレメンティエフ、エリザベス・デビッキ、クリス・サリバン、ショーン・ガン、シルベスター・スタローン、カート・ラッセル、トミー・フラナガン、ローラ・ハドック、エバン・ジョーンズ、ワイアット・オレフ、グレッグ・ヘンリー、ビング・レイムス、マイケル・ローゼンバウム、ミシェル・ヨー、ジェフ・ゴールドブラム、デビッド・ハッセルホフ、スタン・リー
声の出演ビン・ディーゼル、ブラッドリー・クーパー、セス・グリーン


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四月は君の嘘 

エイプリルフールだからといって何でも嘘を言っていいというわけではない。世間を騒がせるような嘘はいけない。ましてや映画として公開されるまでになってしまっては、その罪は大きい。しかもその嘘をついたのが影響力の大きい広瀬すずだ。アリスならともかくすずである。だが、逆に広瀬すずだからこそつけた嘘でもあるし、彼女の嘘であれば許そう、いや、一歩進んで自分もその嘘に欺されたいという人も大勢いることは確かだ。
ただ自分は板谷由夏の嘘を推奨したい。彼女のほうが酸いも甘いも噛み分けているだろうから、嘘も現実味をはらんで臨場感を味わうことができる可能性が大きい。それがダメなら、もう檀れいしか残っていないじゃないか。

■四月は君の嘘 2016年 日本映画
監督:新城毅彦
原作:新川直司
脚本:龍居由佳里
主題歌:いきものがかり『ラストシーン』
挿入歌:wacci『君なんだよ』
出演:広瀬すず、山崎賢人、石井杏奈、中川大志、甲本雅裕、本田博太郎、板谷由夏、檀れい


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ゾンビーワールドへようこそ 

タイトルからしてB級映画であることは見る前からわかっているが、B級にはB級としての傑作がある。そして本作はそれに当たる。主人公とその仲間をボーイスカウトのメンバーとしたことで、ちょっとしたサバイバル術がいろいろなシーンで生かされる点は秀逸。そこに加えてタンクトップにショートパンツ、ブロンドのセクシー姉ちゃんが加われば、完璧な布陣ができあがったといえるだろう。
とくにクライマックスでのトランポリンによる脱出シーンは出色。主人公がおじいさんのナニを握りしめたままトランポリンの上に落ちていくシーンは脳裏に深く焼きついた。

■SCOUTS GIDE TO THE ZOMBIE APOCALYPSE 2015年 アメリカ映画
監督:クリストファー・ランドン
原案:キャリー・エバンズ、エミ・モチズキ、ローナ・ウィリアムズ
脚本:キャリー・エバンズ、エミ・モチズキ、クリストファー・ランドン
出演:タイ・シェリダン、ローガン・ミラー、ジョーイ・モーガン、セーラ・デュモント、デビッド・ケックナー、ハルストン・セイジ、クロリス・リーチマン、パトリック・シュワルツェネッガー


ZOMBIE_WORLD_HE_YOKOSO_2015

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アフターマス 

2002年7月1日に実際に発生した「ユーバーリンゲン空中衝突事故」を元にして映画化。ただ単に事故発生の経過を追うだけではなく、不幸にもその飛行機に搭乗していて事故に遭い命を落とした遺族の復讐劇までを描く。この復讐による事件も実話というから驚きである。アメリカではおそらくその事件が発生したときは世間の耳目を集めたのであろうが、海を越えた日本ではほぼ知られていないことだろう。それだけに本作で映像化された意味合いは大きい。
それにしてもシュワルツェネッガーもすっかりジジイとなってしまった。ジジイになって早朝に目が覚めてしまうからなのか、襲おうとして管制官の家を訪ねるも、1回目は世間の常識的な訪問時間としてはあまりに早すぎである。その管制官、もし日本で映像化されるとしたら大倉孝二に演じてもらいたい。
この負の連鎖にはラストに挿入されるエピソードにつながるが、この11年後の墓地での出来事は、さすがに映画独自の脚本だろうか。

■AFTERMATH 2017年 アメリカ映画
監督:エリオット・レスター
脚本:ハビエル・グヨン
出演:アーノルド・シュワルツェネッガー、スクート・マクネイリー、マギー・グレイス、マーティン・ドノバン、ハンナ・ウェア


Aftermath_2016

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エイリアン:コヴェナント 

長期にわたるシリーズは、そのつど前作を見直さなければならないものと、そうでないものがある。後者のほうが名作の誉れが高くなるのは、みな見返すのがめんどうくさいからであろう。私に至っては物忘れが激しく、以前に見たものはすっかり忘れているというのに(『プロメテウス』でさえも!)、やっぱり「めんどうくさい」という一択でもってそのまま鑑賞。どうやら『プロメテウス』にもデビッドは出ていたらしいことはわかったが、そこまで。それでも楽しめればいいのだ。
その楽しさの要因は、なんといっても凶暴で敏捷なエイリアンだ。リプリーのころのエイリアンとはまた違った性質を備えており、怖いながらもちょっとペットにしたい欲求も首をもたげる。ところでそのシガニー・ウィーバーの復活はまだか。

■ALIEN: COVENANT 2017年 アメリカ映画
監督:リドリー・スコット
製作:リドリー・スコット、マーク・ハッファム、マイケル・シェイファー、デビッド・ガイラー、ウォルター・ヒル
キャラクター創造:ダン・オバノン、ロナルド・シャセット
原案:ジャック・パグレン、マイケル・グリーン
脚本:ジョン・ローガン
出演:出演:マイケル・ファスベンダー、キャサリン・ウォーターストン、ビリー・クラダップ、ダニー・マクブライド、デミアン・ビチル、カーメン・イジョゴ、エイミー・サイメッツ、ジャシー・スモレット、キャリー・ヘルナンデス、ナサニエル・ディーン、アレクサンダー・イングランド、ベンジャミン・リグビー、ウリ・ラトゥケフ、ジェームズ・フランコ、ガイ・ピアース


ALIEN_COVENANT

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追憶の森 

キイロとフユという名前の不自然さはずっとシコリのように残り、その謎が最終的には解決されるのではあるが、それでも日本人にはほぼないと思われる無理やりな名前を、こじつけのように伏線に持っていく豪腕には、仕方なく拍手を送っておく。
そのほか、マコノヒーが日本の、しかも富士の樹海にいるという違和感があり、渡辺謙の妙に浮いた演技も手伝ってか、それらふわりとした雰囲気が本作全体を覆っていることを特徴ととらえれば成功といえるのであろう。ただ自分は好きではない。

■THE SEA OF TREES 2015年 アメリカ映画
監督:ガス・バン・サント
脚本:クリス・スパーリング
出演: マシュー・マコノヒー、渡辺謙、ナオミ・ワッツ、ケイティ・アセルトン、ジョーダン・ガバリス、ジェームズ・サイトウ、オーウェン・バーク


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ぼくのおじさん 

北杜夫のユーモア小説が原作である。小説のおじさんは、躁状態の北杜夫のような人なので、それを考えると松田龍平のおとぼけ演技がかなりハマるかと想像していたが、彼のその手の演技は狙わないからこそおもしろく、この作品のように、「それ」を中心に求めてしまうと、ちょっと違う感が生じてくるようだ。
映画自体はそれなりにおもしろい。とくにシールを集めてハワイに行こうとしているところまでは。しかし後半のハワイに行ってからは失速ぎみ。前半の日常の風景をそのまま淡々と描いたほうが、仕上がりはよかったのではないだろうか。

■ぼくのおじさん 2016年 日本映画
監督:山下敦弘
原作:北杜夫『ぼくのおじさん』(新潮文庫『ぼくのおじさん』所収)
脚本:春山ユキオ
出演:松田龍平、真木よう子、小菅汐梨、大西利空、戸次重幸、寺島しのぶ、宮藤官九郎、キムラ緑子、銀粉蝶、戸田恵梨香、二宮弘子、佐竹遥人、森萌々穂、岩谷健司、マホモリータ、松浦祐也、川村麻実、林真実、原将己、佐々木千恵、松井伸明、緒沢あかり、平川玲奈、吉野真生


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