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マッド・ハウス 

現実でも血が出たら直視できないほどである。とにかく痛い映画は好きではない。それなのにときおりこの手の作品を見てしまうのはなぜなのか。「好きではない」と言いつつ、ほんとうは見たいという気持ちが深層心理のなかに潜んでいるのかもしれない。それははたして、昔から言われている「好きな女の子のスカートをめくって嫌がらせをしてしまう」ということと相通ずるものなのか。
本作ではその痛い場面だけでなく、宗教的な雰囲気にややトリップぎみの気持ちさえ味わうことになる。これに取り込まれたらとんでもないことになるので、手に穴が開く前に脱出しなければならないと肝に銘じておこう。

■1BR 2019年 アメリカ映画
監督・脚本:デビッド・マーモー
出演:ニコール・ブライドン・ブルーム、ナオミ・グロスマン、ジャイルズ・マッシー、テイラー・ニコルズ、アラン・ブルーメンフェルド、スーザン・デービス、クレイトン・ホフ、アーネスティン・フィリップス、ヘイリー・ギルス、アンドレア・ガブリエル、ハンナ・アルトマン、カーティス・ウェブスター、ジェイ・パニック、エバン・ディクソン、ダニエル・マクドナルド


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星の王子ニューヨークへ行く 2 

30年以上前の続編となれば、エディ・マーフィーもさすがに年をとったことが顕著にわかってしまうが、それだけこの作品に価値がある、つまりは金になると踏んだのだろう。確かにこの当時、『ビバリーヒルズ・コップ』の大ヒットで波に乗り(この波もかなりのビッグウェーブだったろう)、『ゴールデン・チャイルド』『ビバリーヒルズ・コップ 2』と続いた次の公開で楽しんだ覚えはあるが、考えてみるとこのあたりまでは最初の波の余波でもあったのだろう。余波はいつまでも余波でいられず、次の『ハーレム・ナイト』で主演・監督・脚本・製作総指揮を務めたあたりからちょっとおかしくなってきた感がある。個人的には1999年の『ビッグムービー』も好きなのだが、これはどちらかといえばスティーブ・マーティン作品。
で、30年経ってほぼ同じキャストでつくられた本作。設定としてもそのぶん年月が経っており、息子世代の活躍を主軸として展開される。だが、床屋における1人4役をそのまま流用したりすることで30年前に見た映画がよみがえり、郷愁の念とともに前作を見た人にも楽しめるつくりとなっている。

■COMING 2 AMERICA 2021年 アメリカ映画
監督:クレイグ・ブリュワー
製作:ケビン・ミッシャー、エディ・マーフィ
脚本:ケニヤ・バリス、バリー・W. ブラウスタイン、デビッド・シェフィールド
キャラクター原案:エディ・マーフィ
出演:エディ・マーフィ、アーセニオ・ホール、ジャーメイン・ファウラー、レスリー・ジョーンズ、トレイシー・モーガン、キキ・レイン、シャーリー・ヘドリー、ウェズリー・スナイプス、ジェームズ・アール・ジョーンズ、ジョン・エイモス、テヤナ・テイラー、バネッサ・ベル・キャロウェイ、ポール・ベイツ、ノムザモ・ムバサ、ベラ・マーフィ、モーガン・フリーマン、グラディス・ナイト、ダビド、ディケンベ・ムトンボ、ジョン・レジェンド


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ガンズ・アキンボ 

ハリーポッターもだいぶ脱皮が進んでいるようだ。ここまで皮が脱げればもう一人前といってもいいだろう。だがもう魔法は使えない。それが大人になるということなのだろう。本作はそのポッターくんが腕に銃を縫いつけられてどうしようもない環境からどう覚悟を決めて逆襲に転ずるかのポイントが見どころになる。世の中には覚悟を決めることができない人も大勢いることだろうけれど、覚悟を決めるとはどういうことか、その決めどころを知るバロメーターともなることだろう。
なお、その素顔はじつはかわいいニックスが指が切り落とされたときに叫ぶ「金曜日の夜がさびしくなっちゃったじゃない!」は今後検証すべき意味深な言葉であり、同時にこれは男性にも同じことが言えるのかという検証も必要となろう。

■GUNS AKIMBO 2019年 イギリス/ドイツ/ニュージーランド映画
監督・脚本:ジェイソン・レイ・ハウデン
出演:ダニエル・ラドクリフ、サマラ・ウィービング、ネッド・デネヒー、ナターシャ・リュー・ボルディッゾ、グラント・バウラー、エドウィン・ライト、リス・ダービー


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浅田家! 

映画のストーリーがどこまで現実に近いものなのかはわからないが、少なくとも主人公はニノとはまったく違う顔立ちのようだ。兄貴のほうは確認していないが、妻夫木聡似ではないだろう。ただ妻夫木のキャストはよい。というのも、ここのところどことなくお兄ちゃんキャラが板についてきているように感じるからである。
物語は大きく前半と後半に分かれる。前半はカメラマンとして独り立ちする姿を、後半は東日本大震災によって行方不明となった写真を還元させる姿を描いている。だが、やはり木村伊兵衛写真賞を受賞し、タイトルにもなっている「浅田家」の再現写真が楽しい。実際の作品も成りきり写真であるのに、それにさらに俳優たちが成りきっているという二重構造になっているので、映画で撮影された作品と、実際の作品を比べるのもおもしろいだろう。再現率はかなり高い。

■浅田家! 2019年 日本映画
監督:中野量太
原案:浅田政志『浅田家』『アルバムのチカラ』(赤々舎)
脚本:中野量太、菅野友恵
エンディング・テーマ:THE SKA FLAMES「'S Wonderful」
劇中写真:浅田政志
浅田政志補佐:服部和恵
企画協力:姫野希美(赤々舎)、石原仁美、藤本智士(『アルバムのチカラ』共著)
ヘアメイク、酒井夢月、石邑麻由(風吹ジュン専属)、刈込ともみ(風吹ジュン専属)
協力:浅田家の皆様(章、順子、幸宏、政志、若奈、和子、惟芯、現心、朝日)
出演:二宮和也、妻夫木聡、平田満、吉田慎次、風吹ジュン、黒木華、菅田将暉、渡辺真起子、北村有起哉、吉田想、野波麻帆、池谷のぶえ、後藤由依良、駿河汰朗、松本高生、川上朋代、篠原ゆき子、松澤匠、川上結ノ介、呉城久美、岩瀬亮、森田夢、志村瑛多、加藤柚凪、上倉菜々優、志田暁、藤原拓杜、田口彩葉、川上勝久、川上順子、桑名哲平、川上翼、笠井信輔、浅田朝日、岩田龍門、吉田明史、松本恵子、浅田現心、中川翼、菅野真比奈、松本隆二、吉田由美子、塩崎青、浅田惟芯、三浦景虎、泉光典、小澤雄志、黒木麗奈、尾崎右宗、池永亜美、古屋隆太、朝見心、上の平多香、江藤修平、鈴木士、粕谷吉洋、森レイ子、遥、小林トシ江、吉田仲子、吉田歩美、川上幸太朗、松本開生、塩崎鈴、若林琴子、小松さくら、黒川通利


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6アンダーグラウンド 

当初、ライアン・レイノルズの顔はパーツが中心に寄っている変な顔だという認識であった。だが、だんだんにイケメンに見えてきているのは、自分にとっては、彼はブレイク・ライブリーの夫であるという事実であろう。だからこそ、ライアン・レイノルズのベッド—シーンにはちょっとドキドキする。プライベートにおいてはこの相手がブレイク・ライブリーなのである。そのことに思いを馳せれば動揺は抑えきれない。
本作においてのクイーンはメラニー・ロランであろう。近接撮影が多いため、目の周囲の皺がかなりあわらになるが、それがかえって美しい刻まれ方をしているように見える。だが、この近接撮影に限らず、そのほかの点でも妙にカメラワークが懲りすぎていて、見ていて非常に疲れることは触れておきたい。

■6 UNDERGROUND 2019年 アメリカ映画
監督:マイケル・ベイ
製作:イアン・ブライス、マイケル・ベイ、デビッド・エリソン、デイナ・ゴールドバーグ、ドン・グレンジャー
脚本:ポール・ワーニック、レット・リース
出演:ライアン・レイノルズ、メラニー・ロラン、コーリー・ホーキンズ、アドリア・アルホナ、マヌエル・ガルシア=ルルフォ、ベン・ハーディ、リオル・ラズ、ペイマン・マーディ、ユーリー・コロコリニコフ、キム・コルド、デイブ・フランコ


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小説の神様/君としか描けない物語 

作家の著作を追ってみると、明らかに「若書き」というものがあり、それは字義通り「若いころに書いたもの」という意味のほかに、そこに「未熟な著作」「熟成する前の作品」というニュアンスが加わる。細かい部分で、もう少しわかりやすい表現があるのでは、とか、この表現でこの状況が読者に伝わるんだろうか、というような瑣末といってしまえば瑣末な事柄で「いま一歩感」があったりするのだが、そこに何か火山の噴火前の底知れぬパワーが包含されているのを感じることも事実である。それがあるからこそ、そこから成長を遂げて一人前の作家として立ち上がるのであろう。
そんな若い小説家の卵を演じるのは佐藤大樹と橋本環奈。20歳を過ぎた俳優が高校生を演じるのはこのところ普通のことのようになってきたでの別にいいが、若書きと思われる小説の出来が、実際に読んでいなくても前述のような「火山の噴火前の底知れぬパワー」がないように感じるのはなぜだろうか。

■小説の神様/君としか描けない物語 2020年 日本映画
監督:久保茂昭
原作:相沢沙呼
脚本:鎌田哲生
主題歌:伶「Call Me Sick」
挿入歌:伶「こんな世界にしたのは誰だ」/ Leola「Licky Me」「ないものねだり」/ 琉衣「一輪の花」「枯れゆく声」
劇中イラスト:遠藤将之、瀬沢伸子
劇中小説:齋藤萌
出演:佐藤大樹、橋本環奈、佐藤流司、杏花、莉子、坂口涼太郎、山本未來、片岡愛之助、和久井映見、川口和空、岡田香菜、白石優愛、白瀬南美、新谷ゆづみ、糸瀬七葉、山本楽、大原由暉、堀田健斗、森タクト、田中なずな、黒澤胤也、牧亮佑、秋葉七海、寺尾真俊、岩本淳、鯉沼トキ、中野麻衣、國分亜沙妃、平本くるみ、渡辺真妃、マイケル・フィローザ


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ドリームランド 

派手なルックスで最近よく目にするマーゴット・ロビーが魅惑的な殺人犯アリソン・ウェルズを演じる。彼女をかくまう若者ユージンと肉体関係を結ぶ。その際に映し出される彼女の胸は意外に小さい。もっとダイナマイトなボディーかと勝手に想像していたのである。
個人的にはユージンの母親のほうが楚々とした魅力があって好みである。調べてみると、ケリー・コンドンという女優さんで、これまでには『アベンジャーズ』にフライデー役として出演しているようだ。あの手のオールスター映画だとこのようなあまり派手ではない女優は埋もれてしまい、ついつい見逃しがちだ。彼女の存在が確かめられただけでも本作を見たかいがあったというものである。

■DREAMLAND 2019年 アメリカ映画
監督:マイルズ・ジョリス=ペイラフィット
製作:ブライアン・カヴァナー=ジョーンズ、リアン・ケイヒル、マーゴット・ロビー、ジョニー・マクナマラ、トム・アカーリー、ブラッド・ファインスタイン
脚本:ニコラス・ツワルト
出演:フィン・コール、マーゴット・ロビー、トラビス・フィメル、ケリー・コンドン、ダービー・キャンプ、ローラ・カーク、ギャレット・ヘドランド、ティム・D. ジャニス、グレーソン・ベリー、ハンス・クリストファー、アンディ・カステリック、ジョー・ベリーマン、ポール・ブロット、ジェイソン・ウェイラー、ジェーン・ウィルソン、クリストファー・ホーガン、スティーブ・ヒックマン、ジンジャー・T. レックス、ジェイミー・パワーズ、ジェイコブ・ブラウン、フランシス・リー・マケイン、マニー・グリーンフィールド、クリスタ・ブラッドリー、キャメロン・ラミレス


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