魅惑的なバックシャン 

Poecilocoris_Lewisi
なんとも魅惑的な後ろ姿であろう。これぞバックシャンと言わずしてなんと言おう。ときおり街で見かける、思わず目を引く女性の後ろ姿を軽く凌駕する。
昆虫の大きさだったから、まだいい。これがもし人間並みの大きさだったとしたら、その魅力も倍増することは間違いない。そして、この格好で街を歩かれたら、迷わずついていってしまうだろう。虫でよかった。もう一度、書いておこう。虫でよかった。

■アカスジキンカメムシ 赤筋金亀虫 キンカメムシ科 Poecilocoris Lewisi

複眼 

cho-tombo_2012
トンボの複眼を通した視界というのは、それだけで人間の英知をはるかに凌駕しているといっていいだろう。その得体の知れない目で写真のようにメンチを切られたら、この迫力に対抗する手段を持ち得ない人間は、すごすごと退散せざるを得ない。
ただ、注意を要するのは、メンチを切られているように感じても、それがもしかしたら親愛の情を示すまなざしである可能性だ。感情表現に乏しいトンボだ。そのようなことも十分にあり得ることだろう。だから、メンチを切られたと思ってもすぐに退却せずに、ちょっと視線を送り返して、その反応を見てみるくらいの余裕がほしいところである。

■チョウトンボ 蝶蜻蛉 トンボ科 Rhyothemis fuliginosa

セミ採り合戦 

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これまでもセミ採りに励んだ夏だったが、今夏は例年に増して捕獲数が多かった。というのも、8月のあるときから、採ったら彼らの記念写真を撮るようになったからであろう。「続きを読む」にそのポートレイトをアップするが、その数、冒頭の1枚を合わせ106枚。ときに2匹、3匹の集合写真もあるし、写真を撮る前に逃げられた例もあるので、おそらく、少なくとも150匹内外のセミたちとの逢瀬を重ねたわけである。
ここまでの捕獲数であれば、もう「セミプロ」を名乗っても過言ではあるまい。
窓外からまだ聞こえるセミの鳴き声が、「なんだよ、オレたち、そんなオチのために採られたのかよ」という恨み節に聞こえるような気がするが、なに、気のせいだろう。

■アブラゼミ 油蝉 セミ科 Graptopsaltria nigrofuscata
■ミンミンゼミ みんみん蝉 セミ科 Oncotympana maculaticollis
■ツクツクボウシ つくつく法師/寒蝉 セミ科 Meimuna opalifera

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虫目 

kamakiri
今年はニュースにもなったが、セミの鳴き出しが遅かった。それにともなうかのように、私のセミ目への対応も遅かったようで、やっとここのところ、セミ目となった。
「セミ目」とは何か。昆虫というのは、たいてい擬態で周囲の風景にとけ込み、見つかりにくい体色をしている。そのため、パッと見では、昆虫の存在に気づきにくい。しかし、見ようと思っていると、パッと見で見つけることができるようになるのだ。それが「虫目」であり、そのうち、セミの見分けに特化したのが「セミ目」である。
私は夏にだけセミ目になる傾向があり、毎年、この目になったところでセミを捕まえに走るのだ。
この目の対応は、虫のグループごとに特化するようで、ときにチョウ目になり、ときにトンボ目になる。
しかし、なぜかカマキリ目にだけはならないのが不思議だ。ほかのカマキリ目の人が「ほら、ここにいるよ」と草の中のカマキリをいともたやすく見つけるというのに、私は見つけることができないことが多い。
これはその昔、女性に頭からかぶりつかれて頭部の半分がなくなった経験によるトラウマであろうか。

■カマキリ(チョウセンカマキリ) 蟷螂(朝鮮蟷螂) カマキリ科 Tenodera angustipennis

カノコの蛾 

kanokoga
私、カノコよ。
見た目は毒々しいかもしれないけど、京都の和菓子の原料に私の体をすりつぶした粉末が入っているくらいだから、その芳香もかぐわしいし、思いきって口にすると、口中にフワッとした上品な甘みが広がるはずだわ。
さあ、勇気を出して、私を食べてみて。

*本当にカノコガを食べて体調に異変が起きたとしても、当方はいっさい責任は負いません。

■カノコガ 鹿子蛾 カノコガ科 Amata fortunei

非常に迷惑な話 

nanohana
たいていの人は「ナノハナ」という名を聞いたり見たりすると、タレントのせんだみつおを思い出すことだろう。
「ナノハナ」と「ナハナハ」が類似しているからであろうが、ナノハナにとっては非常に迷惑な話である。
ナノハナはけっして自分が偉いとは思っていないから、「ナノハナ偉い!ナノハナ偉い!」などと言うこともないし、ましてや、「ナノハナゲーム」などをやられでもしたら、目も当てられないだろう。
ちなみに、ナノハナゲームとは、数人で輪になり、最初の人が指を誰かをさしながら「ナノ」と言う。さされた人は「ハナ」と言いながら、またほかの誰かをさす。そのさされた人の両脇の人が、両手の耳の横で振りながら「ナノ!ハナ!」と言う。これを誰かが失敗するまで繰り返すという、たわいないゲームである。

■アブラナ(ナノハナ) 油菜(菜の花) アブラナ科 Brassica rapa

殿様としての態度 

tonosamabatta_2010
殿様なバッタだ。毒味役もいよう。近うも寄ろう。
しかし、あくまで殿様なバッタは殿様としての態度をくずさない。それほどに偉い。
しかし、それにしては、彼らはすぐに逃げすぎではないか。
このちょっと栗林的なほど近寄るのに、どれだけの時間を要したか。
しかも撮影はこのワンチャンスだけで、つぎの瞬間には、その後脚のバネを生かしてはるか彼方にジャンプしていってしまった。
とんだ臆病者の殿様だ。
もっと殿様としての堂々とした態度を貫いてほしいものである。

■トノサマバッタ 殿様飛蝗 バッタ科 Locusta migratoria