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牛首村 

清水崇監督による『犬鳴村』、『樹海村』に続く「村シリーズ」の第3弾である。前2作も見てはいるが、それがおもしろかったから3作目も見ようとなったわけではない。正直なところ、その鑑賞の動機となったのは木村拓哉の娘、Kōki,のデビュー作であるという点である。つまりは3作目ともなるとそのくらいの仕込みをしないと成り立たなかったのではないだろうか。しかも1人2役だ。キムタクパワーもやや陰りを見せる昨今、役者歴がまったくない娘のパワーはどこまで通用するのか、興味の方向は映画本編とはズレたところに向いてしまう。
しかもKōki,のタレントとしての売り込み方はこれで正解なのだろうかということも考えてしまう。この手のホラー分野での映画デビューがこれからついて回ることになるが、それが得策なのかどうか。さらにはウェブで表示しにくい長音符が入った芸名などもどうなのかとか、映画とは関係ないことが気になってしょうがない。

■牛首村 2021年 日本映画
監督:清水崇
脚本:保坂大輔、清水崇
原案:清水崇、保坂大輔、紀伊宗之
劇中歌:「ふたごうた」
方言指導:今井香澄
iPhone撮影:大谷凜香
出演:Koki,、萩原利久、高橋文哉、芋生悠、山下千怜、大谷凜香、莉子、竜のり子、松尾諭、堀内敬子、田中直樹、麿赤兒、奥菜恵、吉見一豊、伊達暁、大津尋葵、鈴木碧桜、佐藤杏、山下美怜、綾乃彩、怪談家あみ、髙谷菜々、小路晃、二枚田昇、笹本旭、岡幸太、小林優斗、つばめ奈緒美、斉藤ジュン、伊藤友太、山川紗代、紀伊麻貴、鳥井燎、邪嶋英、鍛治春陽、斉藤レイ、伊藤公太、山川智代、紀伊美貴、鳥井委瞬、つばめ真由美、邪嶋美、鍛治春翔、四月朔日瑛志、橋川脩人、北川駈世道、太田一彩、西野ひより、酒井幸治、流晶代、京極優花、青栁圭子、吉谷幸展、西村朋宏、栗山千栄、東凛花、太田彩渚、江淵翔泰、上野陽斗、ヒゴエミ、森田燈摩、片岡結菜、伊東孝雄、高田雄平、ヒゴミナ、片岡愛菜、伊東敏雄、高田康平、森田勇摩、下斗真、小嶋優真、四藤優心、橋本大征



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かそけきサンカヨウ 

けっこう植物は好きで野原に行って咲いている花をチェックしたりもしているのでだが、このサンカヨウという花は知らなかった。どうやら高山植物のようなので、そこらへんの空き地で咲いているというものではないようだ。この「透明になる」という不思議な特徴を聞くと一度見てみたくなるが、どのあたりに行けば咲いているのだろう。いずれにしても山に登らなければならないのであろうから、できるだけ空振りは避けたいものだ。そのための下調べは十分に行わなければならない。
本作でもサンカヨウに目がいきがちだが、ここで注目されるのは「かそけき」のほうだろう。かそけければ、かそけくかといえば、そうそう簡単にはかそけかないのだから、ここで「かそけき」というワードを用いた意味合いをよく考えなければならない。そのかそけくものとしてサンカヨウをもってくるあたりの妙味もじっくりとかみしめながら鑑賞したい。

■かそけきサンカヨウ 2021年 日本映画
監督:今泉力哉
原作:窪美澄『かそけきサンカヨウ』(角川文庫『水やりはいつも深夜だけど』所収)
脚本:澤井香織、今泉力哉
医療協力:本田マイケル武史
絵画:青木美和
出演:志田彩良、井浦新、鈴鹿央士、中井友望、鎌田らい樹、遠藤雄斗、石川恋、鈴木咲、古屋隆太、芹澤興人、海沼未羽、鷺坂陽菜、和宥、辻凪子、佐藤凛月、菊池亜希子、梅沢昌代、西田尚美、石田ひかり、佐藤太一、田中優太、谷畑希築、原田圭捺、安川麗、中村菜奈生、倍賞晃、佐藤優哉


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決戦は日曜日 

選挙コメディーという分野はある程度確立できるくらいに増えてきた感もある。もちろんシリアス作品でもいいのではあるが、この選挙戦でのドタバタはコメディーの格好の題材になろう。少し前に見た『スイング・ステート』もおもしろかったし、『総理の夫』もある意味、選挙シリーズに入れてもいいだろう。
本作もなかなかのドタバタぶりだが、そのドタバタの要因となっているのが、父の病によってその後を継ごうとして立ち上がった娘、宮沢りえである。彼女の発言や行動がつぎつぎと面倒な事態を引き起こすのだが、これまたコメディーの鉄則、それがうまい具合に作用してハッピーエンドとなるのはお約束。だからこそ楽しんで見ることができるのである。

■決戦は日曜日 2022年 日本映画
監督・脚本:坂下雄一郎
選挙監修:渡辺強
軍司指導:西村金一
医療指導:中澤暁雄
出演:窪田正孝、宮沢りえ、赤楚衛二、内田慈、小市慢太郎、音尾琢真、弘中麻紀、望月綾乃、塚本幸男、鈴、中野順一朗、坂口辰平、依田哲哉、謝花弘規、吉野実紗、大谷幸広、中川慧、吉田慎次、井並テン、斉藤マッチュ、金谷真由美、蟹江アサド、野中隆光、早坂直家、飯田芳、青柳信孝、松木大輔、星野恵亮、鵜澤秀行、若松泰弘、平原テツ、田村健太郎、前野朋哉、駒木根隆介、斎藤志郎、俵木藤汰、草川直弥、鈴木聡、小泉光咲、足立智充、江藤修平、小林勝也、たかお鷹、高瀬哲朗、今村俊一、原康義、石川武、松井工、久松信美、玉川富久美、上野隆司、近藤康平、いとうたかし、三留信子、藤本弘己、金坂茂夫、ヨダひさし、河野茂美、舟生貴士、新井弘子、後中徳巳、宮田勉、くりりん♂、新井正美、森りさ、鈴木祐美、石崎久恵、久野優子、結城千草


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ドロステのはてで僕ら 

この手の映像を見ると劇団の雰囲気やB級のにおいがある、長回し風など、成り立ちは『カメラを止めるな!』と似通っている。海外では多くの映画賞を受賞しているようでありながら日本ではさっぱりというところだけが異なるが、それはおそらくほんのちょっとした差だ。そのほんのちょっとした差とは、クチコミで広がるかどうか。いずれにしろ、出来としては同程度と見た。
このこざかしい脚本の表面的な技巧が本作の主軸を成すが、そのために犠牲になっているところが自分としてはかなりマイナスポイント。そもそもその主軸たる「2分の時間差」を映像時間に合わせるというリアリティは、画面にタイムウォッチが表示されているわけでもないし、観客が自分の時計の秒針を見ながら鑑賞するわけもないので、そこにリアルは必要かという根本的な疑問がある。そこに骨を砕く以前にディテールを詰めておいてほしかった。たとえばiMacの電源。はじめから2階から1階に届くような長いコードであったとはとうてい思えない。もしコードが長かったということにするならば、その伏線も必要だろうけれど、伏線に伏線を張っていくとどんどんわざとらしさが際だっていくはず。ただ隣の店の女性が、たとえば花粉症なりハウスダストアレルギーなりに悩まされているという伏線はあってもよかったように思う。
ただこれらの表面的なこと以前に受けつけられないのが、タイムパトロールという安易なオチだ。こんなに手垢のついた結末では、それまでがうまくいっていたとしてもすべてが台無しである。
なお、劇中の廃墟写真は石山蓮華とエンドクレジットに出てきて、そこだけは「おっ」と思ったことだけは記しておきたい。

■DROSTE 2020年 日本映画
監督:山口淳太
原案・脚本:上田誠
主題歌:バレーボウイズ『タイトルコール』
廃墟写真協力:石山蓮華
出演:土佐和成、藤谷理子、石田剛太、諏訪雅、酒井善史、中川晴樹、角田貴志、永野宗典、本多力、朝倉あき


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フレンチ・ディスパッチ/ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊 

架空の『ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン』の別冊という位置づけの『フレンチ・ディスパッチ』は50万人の購読者がいるというのに、編集長の急死によって廃刊するという、なんとももったいないお話だ。売り上げが上がらなくてきゅうきゅう言っている出版社も数多いのだから、どこかに身売りしてしまえばいいのに、というのは勝手な言いぐさで、それが行われたら、このおしゃれな映画も成立しなくなってしまうのだった。
そして、その最終号を映像化したという趣向。小説の映画化というのはよくあるが、雑誌そのものを映画で表現するという新味がおもしろい。カラーページはカラー映像など、凝ったつくりも秀逸である。鑑賞後の読後感が爽やかだ。

■THE FRENCH DISPATCH OF THE LIBERTY, KANSAS EVENING SUN 2021年 アメリカ映画
監督・脚本:ウェス・アンダーソン
製作:ウェス・アンダーソン、スティーブン・レイルズ、ジェレミー・ドーソン
製作総指揮:スコット・ルーディン、ロマン・コッポラ、ヘニング・モルフェンター、クリストフ・フィッサー、チャーリー・ウォーケン
原案:ウェス・アンダーソン、ロマン・コッポラ、ヒューゴ・ギネス、ジェイソン・シュワルツマン
出演:ベニチオ・デル・トロ、エイドリアン・ブロディ、ティルダ・スウィントン、レア・セドゥ、フランシス・マクドーマンド、ティモシー・シャラメ、リナ・クードリ、ジェフリー・ライト、マチュー・アマルリック、スティーブン・パーク、ビル・マーレイ、オーウェン・ウィルソン、クリストフ・バルツ、エドワード・ノートン、ジェイソン・シュワルツマン、リーブ・シュレイバー、エリザベス・モス、ウィレム・デフォー、ロイス・スミス、シアーシャ・ローナン、セシル・ドゥ・フランス、ギヨーム・ガリエンヌ、トニー・レボロリ、ルパート・フレンド
、ヘンリー・ウィンクラー、ボブ・バラバン、イポリット・ジラルド
声の出演:アンジェリカ・ヒューストン


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土竜の唄 FINAL 

生田斗真の裸が見たけりゃ『土竜の唄』を見ろ。この言いまわしが一般化して故事成語辞典に載ってもおかしくないほど、生田斗真はこのシリーズでは脱ぐ。昨今ではアキラ100%やとにかく明るい安村、ハリウッドザコシショウ、最近ではウエスPなど、裸芸人というジャンルが確立されつつあるので、今後、裸俳優というジャンルもできる可能性がある。そのときに筆頭に挙げられるのが生田斗真となるだろう。対抗となるのは、一時期、ドラマや映画で何回もお尻を見せていた阿部寛だ。
このシリーズはファイナルと銘打たれているので、これで終わりかもしれない。そうなると生田斗真はほかの作品で脱がなければならなくなる。この関門をうまく突破できれば、阿部寛にも勝てる目が出てくるし、真の裸俳優の称号も手に入れられることだろう。

■土竜の唄 FINAL 2021年 日本映画
監督:三池崇史
原作:高橋のぼる
脚本:宮藤官九郎
主題歌:関ジャニ∞『稲妻ブルース』
出演:生田斗真、鈴木亮平、岡村隆史、菜々緒、滝沢カレン、仲里依紗、堤真一、吹越満、遠藤憲一、皆川猿時、岩城滉一、パンツェッタ・ジローラモ、チャールズ・グラバー、ダニエラ・アイコ、ペッペ


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護られなかった者たちへ 

阿部寛のセリフ回しはいよいよ本格的に阿部節になってきたし、佐藤健の眉毛も鋭利な刃物のように尖っている。千原せいじの無頼漢キャラも板についているし、奥貫薫の薄幸そうな佇まいも雰囲気をまとう。原日出子のふくよかなおかあちゃん感、倍賞美津子のおばあちゃん感など、それぞれが自分のキャラクターをしっかりと演じていることで、骨太な全体が構成されているように思える。
とくに林遣都は、これまでもいくつもの作品で目にしてきたが、こういう後輩の熱血刑事役はかなりのハマり役。突っ走りそうになりながらも職業の倫理観と板挟みになって行動を抑制している刑事の表現がよい。そして吉岡秀隆もいつからか、負け顔が売りになったようで、この一本調子のしかめっ面には見飽きてはいるが、安心できる安定感もあるのである。

■護られなかった者たちへ 2021年 日本映画
監督:瀬々敬久
原作:中山七里『護られなかった者たちへ』(NHK出版)
脚本:林民夫、瀬々敬久
主題歌:桑田佳祐『月光の聖者達(ミスター・ムーンライト)』
タイトルデザイン:赤松陽構造、川口和子
出演:佐藤健、阿部寛、清原果耶、林遣都、永山瑛太、緒形直人、吉岡秀隆、倍賞美津子、岩松了、波岡一喜、奥貫薫、井之脇海、宇野祥平、黒田大輔、西田尚美、千原せいじ、石井心咲、原日出子、鶴見辰吾、三宅裕司、井並テン、内藤裕志、池田倫太朗、西村知泰、鈴木結里、吉岡睦雄、宇野祥平、内田慈、黒田大輔、菅田俊、諏訪太朗、外波山文明、中村優、飯沼由和、鶴英里子、亀山雄司、戸石みつる、柴田昌彦、因野武史、山中迓晶、芝原弘、坂本貴紀、原西忠佑、菊地陽哉、佐藤隆太、永澤真美、菊池佳南、野々下孝、川口和空、山下萌亜、川崎ゆり子、礒部泰宏、松木研也、稲川実代子、川嶋秀明、荒巻全紀、小林博、奥津裕也、飯島珠奈、森本のぶ、鈴木亜紀子、愛わなび、服部竜三郎、飯田芳、鹿野浩明、坂口辰平、小林勝也、天光眞弓、清心琴、渡辺昌道、石龍恵、松崎太郎、関山麗、鈴木大典、かとれあ、西城幸江、なかじょうのぶ、上島奈津子、深谷和倫、菊地凛、白瀬鈴、涼宮つぐみ、佐藤京子、前田成貴、藤原貢、大河原準介


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