FC2ブログ

ウルフ・アワー 

年齢を重ねるごとに美しくなっていくナオミ・ワッツの魅力といえども、この乱雑な部屋というワンシチュエーションで鑑賞者を2時間ばかり引き込むのはつらいものがある。さらには、ちょっと病んでいる役柄のため、最高潮のナオミ・ワッツではなく、意図的に魅力を半減させたナオミ・ワッツだ。映画半ばでエロチックなシーンも盛り込まれているが、それだけではさすがに弱い。
ストーリーにもいま一歩のめり込むような力は感じられず、どこに焦点をしぼればいいかが判然としなかったが、最後の最後、彼女の口元にわずかに浮かぶ笑みを目にしたときに「これか」と思った。このラストシーンを撮りたいがために、ずっと遡って話が構築されたのではないかと思わせるくらいの口元であった。

■THE WOLF HOUR 2019年 イギリス/アメリカ映画
監督・脚本:アリステア・バンクス・グリフィン
制作総指揮:フレッド・バーガー、フィリップ・ディエッパ、ケイト・ドライバー、ガレット・P. フェネリー、リンダ・モーラン、タリン・ナジェル、フィリップ・W. シャルツ、ナオミ・ワッツ
出演:ナオミ・ワッツ、ジェニファー・イーリー、エモリー・コーエン、ケルビン・ハリソン・Jr.、ジェレミー・ボブ、ブレンナン・ブラウン、ロバート・テスルット、リチャード・バード、シーン・ピルツ、グレン・リー、ジョン・パラチオ、ダニー・ゴールドスミス、ミッチェル・ファーロン、ジャック・オージャッド、トニー・バーンズ、ジャズミン・スミス、エンジェル・クリスチャン・ローマン、ジャメル・ロジャーズ、ペドロ・ハリウッド、ミリッツ・セラノ


THE_WOLF_HOUR__2019.jpg

続きを読む

記憶屋/あなたを忘れない 

タイトルから内容を勝手に想像していたが、まったくの間違いであった。記憶屋というのが、健忘症や、そこまでいかなくても忘れっぽい人、もしくは高齢になって覚えておきたいことも忘れてしまいそうな人の代わりに、そのことを覚えていてくれて、必要なときに現れてその記憶を呼び覚ましてくれるという商売なのかと思い込んでいたのである。とくにこのところ、自分もなにかと忘れがちなため、現実的ではないにしてもこんな商売があったらいいなぁと思っていたのであったが、どちらかといえば正反対のことであった。もし芳根京子がこの屋号で商売にするとしたら「看板に偽りあり」である。
だがそんな間違いも許せてしまうほどに芳根京子がかわいい。私は昔から蓮佛美沙子のファンでもあるので、ダブルで目を楽しませてくれる作品である。

■記憶屋 あなたを忘れない 2020年 日本映画
監督:平川雄一朗
原作:織守きょうや『記憶屋』(角川ホラー文庫)
脚本:鹿目けい子、平川雄一朗主題歌:中島みゆき「時代」
出演:山田涼介、芳根京子、蓮佛美沙子、佐々木蔵之介、泉里香、櫻井淳子、戸田菜穂、ブラザートム、濱田龍臣、佐生雪、須藤理彩、杉本哲太、佐々木すみ江、田中泯、平川勝、森川翔太、柳澤有毅、畠中正文、勝倉けいこ、久田幸宏、中澤薫、福澤重文、兼安愛海、ついひじ杏奈、中川逸星、稲垣来泉、中川望、苑美、若林秀敏、東武志、平莉枝、藤原未來、山野海、安山夢子、澤口夏奈子


KIOKUYA_2020

シンクロニック 

SFであるから理論的な設定までは必要ないにしても、もう少していねいな説明を含むわかりやすさがあると、興味の深さが変わってきているように思う。それは鑑賞側の態度にも寄るのかもしれないが、目を引きつけるための仕組みが残念ながら弱いため、いわゆる「気持ちが乗らない」のである。それは出演者の演技や人としての魅力にもいえるだろう。
勝手な想像でいってしまえば、場所によって飛ばされる場所や時代が違うため、そのたびに新たなセットが必要になり、それが制作費を圧迫していたのではないか。もしそうだとしても、その影響がどのように波及してるのかはよくわからないのではあるが。

■SYNCHRONIC 2019年 アメリカ映画
監督:アーロン・ムーアヘッド、ジャスティン・ベンソン
脚本:ジャスティン・ベンソン
撮影:アーロン・ムーアヘッド
出演:アンソニー・マッキー、ジェイミー・ドーナン、ケイティ・アセルトン、アリー・ヨアニデス、ビル・オバースト・Jr.


synchronic_2019.jpg

続きを読む

弥生、三月/君を愛した30年 

高校時代から30年の月日が綴られる。十代の高校生の役から30年であるから、最後のほうは少なくとも設定としては40歳を過ぎているはずである。それくらいの年齢幅があれば、たいていは小さいころは子役を起用したりするだろうけれど、本作ではすべて同じ役者で対応する。それはそれで潔いが、さすがにあまり変わらないキャラクターは見ていてちょっときつい。
このところイケメンとしていろいろな映画、ドラマで目にする売れっ子の成田凌は、自分の中ではまだ「はたして彼はイケメンなのか」という疑問符が解消しないでいる。平成ノブコブ吉村に似た風貌は、イケメンとは松本人志が言う「加藤剛ばりの二枚目」的な感覚がいまだにある私の「イケメン定義」からはズレるのである。

■弥生、三月/君を愛した30年 2019年 日本映画
監督・脚本:遊川和彦劇中歌:坂本九「見上げてごらん夜の星を」
出演:波瑠、成田凌、杉咲花、岡田健史、小澤征悦、黒木瞳、岡本玲、夙川アトム、矢島健一、奥貫薫、橋爪淳、福田ユカリ、樫村曜、寺島巧、佐々木煌将、岩田皐聖、佐藤晃、柳澤萌愛、仁木信子、中野忠、大宮祐太、角田晴、村上直樹、神野陽子、天野アンドリュー真吾、福島和世、石鍋悠太、髙橋永愛、本多美葡、大島かりん、大島くるみ、八島栞、後藤鋼牙、山内大翔、佐藤颯太、関山麗、江口信、小野明日美、因野武史、阿部魁士、神賀勇葵、下永正虎、大山海心翔、渡辺久心、小林喜日、柳谷ユカ、諏訪太朗、安澤千草、徳永梓、札内幸太、滝沢恵、今藤洋子、須間一也、堀健二郎、高橋かすみ、霧島ロック、村上勘太、小山輝、森崎海來、原純大、高橋佑太朗、神保朋輝、内藤小也華、伊吹美咲、日向千夏、佐伯鉄太郎、横田峻舵、白石優愛、渡辺優奈、安藤瑠華、西山こころ、星汝真希、永瀬未留、武野汐那、亀山雄司、白瀬真理子、根津崇明、千葉五十鈴、大日寿、小笠原礼子、室井夢美子、原田健、佐藤ちえ、矢内忠周、山内柚乃、大友結萌、相澤幸優、結城琳久也、宮野優位、若松雄斗、保利晴登、加藤真彩、守屋善汰、田口和花、村上麗奈、三溝浩二


YAYOI_3GATSU_KIMI_WO_AISHITA_30NEN_2019

続きを読む

甘いお酒でうがい 

原作はOL川嶋佳子である。誰かと思ったら、シソンヌのじろうらしい。『キングオブコント』で優勝していながらブレイクという風はなく、それでも地道な活動で地力をつけているようだ。とくにNHKのコント番組『LIFE!〜人生に捧げるコント〜』で顔を見るが、そのときもじろうのほうはしがない女性を演じていることが多い。そうか、あれが川嶋佳子か。その川嶋佳子を、このところ微妙な表情の演技に評価が高い松雪泰子が演じる。幸薄そうな川嶋佳子にぴったりのキャスティングと言えよう。黒木華もいい役どころだ。
お笑い芸人が原作や脚本に関わると、仲間の芸人がこぞって出演して映画をぶち壊すことが多いが、本作の場合はレイザーラモンRGと空気階段の鈴木もぐらくらい。ちょうど邪魔にならないくらいの出方で、じろう本人も出ていないのは好感が持てる。

■甘いお酒でうがい 2019年 日本映画
監督:大九明子
製作:藤原寛
原作:川嶋佳子『甘いお酒でうがい』(KADOKAWA)
脚本:じろうエンディングテーマ:松雪泰子「甘いお酒のカノン」劇中歌:「花」/ 森高千里「私がオバさんになっても」/ 「3つのヴァイオリンと通奏低音のためのカノンとジーグ ニ長調」
出演:松雪泰子、半田点吉、黒木華、清水尋也、古舘寛治、前野朋哉、渡辺大知、レイザーラモンRG、佐藤貢三、中原和宏、小磯勝弥、坂本慶介、鈴木もぐら、川崎珠莉、坂本麻子、バトロフ・オディル、村田祥己、髙松周平、多田無情、常松恵子、都村敏子、半田淳也、境裕子、樋口珠美、村上耕平、リン、春彦、coco、笠谷涼二、大場芳郎、西沢良祐、平野陽祐、剱持由紀子、高恩愛、阿部幸子、望月喜代志、林梅栄、福山緑、亀田彩香、岡田響


AMAI_OSAKE_2020

ラン 

おおよその展開は読めてしまう仕立てだが、主演の母と娘の熱演でそれなりに見れてしまう。
母親役のサラ・ポールソンは、誰かに似ているようにも感じるがよくわからない。ちょっとクリステン・ウィグを想起させる気もするし、『私を愛したスパイ』のボンドガールであり、リンゴ・スターの妻であるバーバラ・バックのようでもある。そう考えると、私の好みの女性ということにもなる。
さらに映画初出演らしい娘役のキエラ・アレンは、役柄上、苦痛に顔をゆがませたりするシーンが多いのでわかりにくいが、もしかしたらローズ・バーンを継ぐ美貌になる可能性をも秘めているように感じる。まだ若いのでこれからが楽しみである。

■RUN 2020年 アメリカ映画
監督:アニーシュ・チャガンティ
脚本:アニーシュ・チャガンティ、セブ・オハニアン
出演:サラ・ポールソン、パット・ヒーリー、キエラ・アレン、ブラッドレイ・サワツキー、エリク・アタベール


RUN_2020.jpg

続きを読む

サヨナラまでの30分 

最近は青春映画を見るのがつらくなってきた。やたらに青くさいことを青くさい役者が気を入れて演じているのがどうにもこっぱずかしいのである。一生懸命に自転車を漕いでいるのに、その自転車はスタンドで車輪が浮いていて、いっこうに前に進んでいないというように見えてしまう。それがいわゆる「だからこそ青春」なのだろうけれど、その時代をはるか昔に過ぎてしまった世代にはなかなか入り込む隙がない。
だが、本作のように、物語に少しSF要素が織り込まれると、そのぶんだけ入り込みやすくなる。ただそれも長続きはしない。せいぜい30分である。

■サヨナラまでの30分 2019年 日本映画
監督:萩原健太郎
脚本:大島里美挿入歌:「(Saisei)」「瞬間」「4199」「トップランナー—movie ver.—」「目を覚ましてよ」「もう二度と」「トロイメライ」「stand by me」「風と星」「This is myself」「Malus pumila」「真昼の星座」「瞬間(sayonara ver.)」出演:新田真剣佑、北村匠海、久保田紗友、葉山奨之、上杉柊平、清原翔、牧瀬里穂、筒井道隆、松重豊、藤沢大悟、森本のぶ、吉増裕士、鯉沼トキ、木戸大聖、長岡殿世、重岡峻徳、久田莉子、三澤透、伊東孝、松原大貴、齊藤大河、岩間建児、NO BRIGHT GIRL、BACK LIFT、里央圭、松﨑悠希、工藤俊作、武市和希、井上雄斗、高橋涼馬、坂東志洋


SAYONARA_MADENO_30PUN_2019

続きを読む