おかあさんの木 

田村ミツ(鈴木京香)の子どもは、長男の田村一郎を筆頭に、次男・二郎、三男・三郎、四男・四郎、五男・五郎と順を追ってきたが、ここにミツの姉夫婦の養子・誠が割り込むことによって七男が六郎といういびつな家族構成になってしまう。この順番を崩した命名がもたらす悲劇は映画では描かれていないが、六郎の屈折した心情はいかがなものであったろう。
さて、それにしても年老いても鈴木京香は鈴木京香だ。どんな状態でも支持する立場は変わらない。ここで「腐っても鯛」という諺を出すことはおそらくは間違っているが、それでもすでにアラフィフの彼女だ。いつかは本当のお婆さんになる。そうなったとき、もしかしたらファンの何人かは離れるかもしれない。それでよい。つまりは倍率が下がるからである。そのチャンスに懸けてみたい。そう思って、そときを虎視眈々と待つ私である。

■おかあさんの木 2015年 日本映画
監督・脚本:磯村一路
原作:大川悦生『おかあさんの木』(ポプラ社)
出演:鈴木京香、志田未来、三浦貴大、平岳大、田辺誠一、波岡一喜、市川知宏、松金よね子、有薗芳記、菅原大吉、石井貴就、細山田隆人、大鶴佐助、大橋昌広、西山潤、安藤瑠一、木場勝己、大杉漣、奈良岡朋子、下元史朗、土屋裕一、神戸浩、森下能幸、大石継太、森田彩華、林マヤ、手塚真生、北島美香、松永玲子、本田大輔、加藤聡志、笠兼三、望月章男、吉村界人、高畑裕太、志野リュウ、伊藤悌智、松元義和、小池真護、赤池高行、新城勇、湖木信乃介、杉山裕右、竹内恵美、大越弥生、新山育子、横山歩、兎本有紀、中園侑奈、藤井亜紀、松田優佑、永峯海大、溝口太陽、工藤大空飛、阿部大輝、高木煌大、加藤瑛斗、戸塚世那、竹内天音


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インデペンデンス・デイ:リサージェンス 

1996年の『インデペンデンス・デイ』で描かれた世界のリアルに20年後を描く。そうすれば前作に出ていた人もちょうど20歳分の年齢を重ねており、妙な老けメイクや若返らせるCGを使わなくていいので、お安く済む計算だったのかもしれない。しかし、それ以上にスペクタクルな映像のSFXに力を入れてしまった。むしろそのために人物のほうの負担を軽くしたのではないかとも考えられる。
調べてみると、『インデペンデンス・デイ2013』とか『インデペンデンス・デイ2016』とかもあるので、妙なB級感がついてしまっているのは残念。見ていてどうも作品世界に入り込めないと感じたのは、そのせいかとも思っていたのだが、よく考えたら20年前のものも見たことがなかったからかもしれない。

■INDEPENDENCE DAY: RESURGENCE  2016年 アメリカ映画
監督:ローランド・エメリッヒ
製作:ディーン・デブリン、ローランド・エメリッヒ、ハラルド・クローサー
キャラクター創造:ディーン・デブリン、ローランド・エメリッヒ
原案:ディーン・デブリン、ローランド・エメリッヒ、ニコラス・ライト、ジェームズ・A. ウッズ
脚本:ニコラス・ライト、ジェームズ・A. ウッズ、ディーン・デブリン、ローランド・エメリッヒ、ジェームズ・バンダービルト
出演:リアム・ヘムズワース、ジェフ・ゴールドブラム、ビル・プルマン、マイカ・モンロー、トラヴィス・トープ、ウィリアム・フィクトナー、シャルロット・ゲンズブール、ジャド・ハーシュ、ジェシー・アッシャー、ブレント・スピナー、ビビカ・A. フォックス、アンジェラベイビー、セーラ・ウォード、パトリック・セント・エスプリト、デオビア・オパレイ、ニコラス・ライト、チン・ハン、ベンガ・アキナベ、ロバート・ロジア、ジョン・ストーリー、ジョーイ・キング


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ヒーローマニア—生活— 

東出昌大や窪田正孝らの人気者のアクションは、なかなかに力が入っていて見どころがある。また物語の後半で満を持して的に登場するオカッパおばさん役の南海キャンディーズしずちゃんは、おそらくここ最近のボクシングで培ったと思われる迫力を伴い、その存在感を十分に発揮しているといっていい。
もうひとり、気になるのが片岡鶴太郎である。彼はバラエティーでもしばしば披露しているが、実生活では修行僧のような生活をしており、その毎日のルーティンの鍛錬にトンカチを振りまわすものも含まれている。それがこの映画によって取り入れられたものなのか、もしくは以前からトンカチを振りまわしていたことがこの映画で採用され生かされたのかはわからない。いずれにしろ、「ピ、ピ、ピーヨコちゃんだ、アヒルがガーガー」と言っていた鶴ちゃんはどこかへいってしまってもういないということである。

■ヒーローマニア—生活— 2016年 日本映画
監督:豊島圭介
原作:福満しげゆき『生活【完全版】』(モーニングKCDX/講談社)
脚本:継田淳
主題歌:NICO Touches the Walls「ストラト」
出演:東出昌大、窪田正孝、小松菜奈、村上和成、黒田大輔、松岡恵望子、山崎静代、船越英一郎、片岡鶴太郎、松下幸史、石垣光代、日向丈、藤巻あつ子、芹沢興人、朝倉悟詞、寺十吾、中野裕太、甲斐まりの、竹松フェレイラカミラ、斉藤重巳、栄信、伊藤政臣、小倉瑳乃、小園優、畑佐ひとみ、二ノ宮隆太郎、川並淳一


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太陽 

やはり人類にとって太陽はなくてはならないものだ。そのことを確認するためには、誰もが手のひらを太陽に透かしてみるべきである。そうすれば血潮が流れているのが見えるはずである。そこで人は初めて「ぼくらはみんな生きている」ということを確信するのであろう。
そしてそれはミミズやオケラも同じである。さらにいえばノクスにとってもキュリオにとっても同じである。この映画における「ノクスとキュリオが友だちになれるか」というテーマは、空に太陽があるかぎり、2人で1人であることが認識できれば自明である。

■太陽 2015年 日本映画
監督:入江悠
原作:前川知大
脚本:入江悠、前川知大
出演:神木隆之介、門脇麦、古川雄輝、綾田俊樹、水田航生、高橋和也、森口瑤子、村上淳、中村優子、鶴見辰吾、古舘寛治、木原勝利、山田日向、渡邉空美、関根航


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映画 暗殺教室/卒業編 

前編のコメディータッチの雰囲気を期待して見たが、一変してやけにシリアスな展開となった後編である。「殺センセー」という名前からしてダジャレであるのに加えニコニコマークの顔と、その展開による真面目なセリフのアンマッチ感が当初の狙いかどうかはわからない。しかし前編では声だけの出演だった芸達者の嵐の二宮が実際に出演したことは、作品の価値を大きくアップさせたといっていいだろう。
もうひとつの見どころは、知英(ジヨン)のフェティッシュな衣装。後半の身体の線ががっつりと出る革のスーツなどはとくに見逃してはならない。

■映画 暗殺教室 卒業編 2016年 日本映画
監督:羽住英一郎
原作:松井優征
脚本:金沢達也
主題歌:せんせーションズ「さよならセンセーション」
出演:山田涼介、二宮和也、菅田将暉、山本舞香、桐谷美玲、竹富聖花、優希美青、上原実矩、橋本環奈、加藤清史郎、知英、成宮寛貴、椎名桔平、佐々木一平、佐藤貢三、笠兼三、軽部真一、阿部力、橋本さとし、中原丈雄


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ペイ・ザ・ゴースト/ハロウィンの生贄 

ハロウィンとケルトの歴史を織り交ぜてオドロの世界を演出する手法は、見ているものの心に迫る。日本の文化とはまた違う面があるが、それだけに未知への恐怖があおられる結果となり、怖さが増す。最近は日本でもハロウィンのバカ騒ぎがニュースとなるほどに一時的な盛り上がりを見せてもいるが、歴史の背景に横たわるものを見据えてみれば、まだまだ深淵をたどることはできそうだ。
このような興味深い題材ではあるが、主演がニコラス・ケイジであるため、どこか既視感があるのは否めない。危機迫るときの感情表現が、ほかの映画と同じ八の字眉毛の表情であるところに大きな要因がある。売れっ子の地位に安住せず、新たな演技を取り入れる努力を惜しんではいけないということであろう。

■PAY THE GHOST 2016年 カナダ映画
監督:ウーリー・エデル
原作:ティム・レボン
脚本:ダン・ケイ
出演:ニコラス・ケイジ、サラ・ウェイン・キャリーズ、ベロニカ・フェレ、リリク・ベント、ローレン・ベイティ、スティーブン・マクハティ、スザンナ・ホフマン、ファン・カルロス・ベリス、マーク・アービンソン、キャロライン・ギリス、ジャネット・ロ、ロザルバ・マティーニ、エリン・ボイズ、ダレン・フロスト、ホー・チャウ、オマー・カーン、カリエ・ハンター、ジャック・フルトン、リアム・バックル、ソフィア・ウェルズ、アレックス・マラリ・Jr.、ミラン・カルモナ、エリック・ハーバー


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さらば あぶない刑事 

1986年のテレビシリーズから30年、前作からも11年の年月が経っているのでもう終わったものと思っていたが、とうとう本当に最後の「あぶデカ」である。それだけに力が入っていていいはずだが、「独特のユルさ」が信条とでもいうように、説明的で残念な台本が今となっては悲しくもある。まだ還暦過ぎの刑事役やおきゃんなお姉ちゃん役が妙に痛々しく、それなりにかっこつけてはいるが菜々緒とのバランスの悪さや恥ずかしいほどの号泣など、もうこれ以上見たくないのでいいかげん最後にしてほしいという思いを強くするつくりにしてあるのでは意図的であろうか。
なお、それでも柴田恭兵の走る姿はなお華麗で、これだけは見るべき価値が残っていたというべきか。

■さらば あぶない刑事 2015年 日本映画
監督:村川透
脚本:柏原寛司
出演:舘ひろし、柴田恭兵、浅野温子、仲村トオル、木の実ナナ、伊藤洋三郎、山西道広、長谷部香苗、海一生、衣笠拳次、ベンガル、小林稔侍、菜々緒、夕輝壽太、吉沢亮、入江甚儀、片桐竜次、吉川晃司、須藤正裕、衣笠拳次、海一生、池田努、松浦慎一郎、宮下順子、成田瑛基、加賀谷圭、ホリベン、谷村好一、東村久也、一ノ瀬ワタル、安藤彰則、森聖二、瀬木一将、田中壮太郎、侯偉、尚玄、飯沼千恵子、本郷弦、伊藤悌智、稲輪吉泰、前田慎治、重廣レイカ、北代高士、木村優介、太田剣、大山うさぎ、芸利古雄、岩田貴代志、片方隆介、江戸松徹、蛭川信博、鋼鐵男、ANGELLA、横田梓、塩澤眞佐子、薗田法拳、早川勇平、市原博、高野光希、福野麗生馬、渡辺能仁、高橋毅、LiLiCo


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