三度目の殺人 

伏線としてのイメージがそこここにちりばめられており、そこから想起される物語の延長は、やがて結節点へと集合していく。 その終わり方がなんとも後味が悪い。けっきょくは伏線らしきものも放置されぎみで、「けっきょくどういう意味だったのか」ということは、見る側の判断に委ねているものもある。
そちらがそういう態度でくるならば、こちらも勝手に想像すればよい。たとえば広瀬すずは殺人鬼だったとか、福山と斉藤由貴は何かしらの関係にあったとか、役所広司はこのあと出所して足袋シューズをつくって大当たりする、とか。どこまでも想像を膨らませていけば、続編やスピンオフだってできるし、SFにすることも可能だ。続編は宇宙を股にかけて活躍するキャプテン役所広司でお願いしたい。

■THE THIRD MUDER 2017年 日本映画
監督・脚本:是枝裕和
出演:福山雅治、広瀬すず、満島真之介、市川実日子、本郷遼、松岡依都美、蒔田彩珠、井上肇、橋爪功、斉藤由貴、吉田鋼太郎、役所広司、品川徹、高橋努、山本浩司、根岸季衣、小倉一郎、中村まこと、杉山ひこひこ、岩谷健司、小野孝弘、友咲まどか、中野英樹、希志真ロイ、田中嘉治郎、玉代勢圭司、堀文明、 横山美智代、安亜希子、小川智弘、澁谷麻美、河野宏明、鈴木 照道、 小野田せっかく、骨川道夫、早川亜希、小澤陽子、池田彩夏、山田菜子


SANDOME_NO_SATSUJIN_2017

続きを読む

結婚 

ディーン・フジオカの中途半端な二枚目風にうんざりする。しゃべり口も気にくわない。要するに、単純に「いけすかないやつ」なのであるが、それが彼の演技から発するものなのか、もともと持っているディーン・フジオカの性質なのか。とくに本作に限っては、結婚詐欺師という「いけすかないやつ」を演じているわけだから、そう感じるのは、それだけ彼の演技力を褒める結果となるが、いけすかないやつを褒めたくないのである。
いずれにしろ、やはり自分はディーン・フジオカが好きではないのだろう。なんだよ、ディーンって。

■結婚 2017年 日本映画
監督:西谷真一
原作:井上荒野『結婚』(角川文庫)
脚本:尾崎将也
主題歌:DEAN FUJIOKA『Permanent Vacation』
出演:ディーン・フジオカ、柊子、中村映里子、松本若菜、安藤玉恵、古舘寛治、萬田久子、貫地谷しほり、市山貴幸、文月あや、古賀正男、宮下修司、生田拓馬、中野剛、斎藤絢永、鳩尾康史、須賀典夫、伊原侑蔵


KEKKON

マイティ・ソー/バトルロイヤル 

さっぱりとした短髪(スタン・リーに切られた)でいちだんと精悍になったソーが活躍する「マイティ・ソー」シリーズの第3作。次から次へと強いやつが現れるのはヒーローものの鉄則といえるが、そうすると、前作で戦った相手はけっきょく今回の相手と比べるとそれほど強いやつではなかったことになるというジレンマがある。本作のヘラなどはその好例。
マーベル映画はヒーローものといいながらも、わりとコメディー的な要素を入れ込んでいるが、とくにこの「マイティ・ソー」シリーズはその傾向がある。そして本作ではさらにその方向性に拍車がかかっており、細かいギャグが目白押しだ。もしかしたらもうこれは「コメディー色の強いヒーローもの」ではなく、「ヒーローもののかたちを借りたコメディー映画」なのではないか。
そのためか、ソーの彼女であったナタリー・ポートマンはもう完全に過去の人として扱われている。彼女の復活があるのか、ないのかは私にとってのこのシリーズの大きな焦点である。
豪華なキャストのなかでも「おっ」と思ったのは、劇中劇として演じられる「ロキの悲劇」の配役だ。ソーの役にクリス・ヘムズワースの実兄ルーク・ヘムズワース。やはり兄弟だ。どことなく似ている。そしてロキ役になんとマット・デイモンだ。このカメオ出演には驚いた。
なお、本作で殉職シーンが描かれたことで浅野忠信はお役御免となったようだ。もっともこの世界、何をもって死とされるかは定かではないので、いつか復活する可能性もあるかとは思うが。

■THOR: RAGNAROK 2017年 アメリカ映画
監督:タイカ・ワイティティ
製作総指揮:ルイス・デスポジート、ビクトリア・アロンソ、ブラッド・ビンダーバウム、トーマス・M. ハメル、スタン・リー
原案:クレイグ・カイル、クリストファー・ヨスト、エリック・ピアソン
脚本:エリック・ピアソン
出演:クリス・ヘムズワース、トム・ヒドルストン、ケイト・ブランシェット、イドリス・エルバ、ジェフ・ゴールドブラム、テッサ・トンプソン、カール・アーバン、浅野忠信、タイカ・ワイティティ、ベネディクト・カンバーバッチ、マーク・ラファロ、アンソニー・ホプキンス、レイチェル・ハウス、レイ・スティーブンソン、ザカリー・リーバイ、ルーク・ヘムズワース、サム・ニール、シャーロット・ニクダオ、マット・デイモン、スタン・リー
声の出演:クランシー・ブラウン


Mighty_Thor_Battle_Royale

続きを読む

ジャスティス・リーグ 

どうも昔からオールスター映画というのは苦手で、というのもそれぞれのスターが一度に見られるのはファンにとってはうれしいのかもしれないが、おのおののスターの見せ場をそれぞれにつくらなければならないので、好きな俳優の見せ場は少なくなってしまうし、なんとなくあっちこっちと無理に盛り上がりをつくることで焦点が散漫になってしまう印象があるのである。
そのため、『アベンジャーズ』よりも、それぞれの『アイアンマン』とか『キャプテン・アメリカ』、『マイティ・ソー』などのほうが楽しく見られることは以前から感じていた。さて、そのDCコミックス版はどうか。少なくとも『アベンジャーズ』よりはそれぞれの見せ場のバランスがとれているように感じる。ただ、『アベンジャーズ』でも感じている異世界の人たちの非現実的な集まりへの違和感は拭えない。もうこうなったら、アベンジャーズとジャスティス・リーグで戦ったらよろしい。オールスター×2だ。ただただ豪華。

■JUSTICE LEAGUE 2017年 アメリカ映画
監督:ザック・スナイダー
製作総指揮:クリストファー・ノーラン、エマ・トーマス、ジム・ロウ、ベン・アフレック、ウェスリー・カラー、カーティス・カネモト、ダニエル・S. カミンスキー、クリス・テリオ
原案:クリス・テリオ、ザック・スナイダー
脚本:クリス・テリオ、ジョス・ウェドン
出演:ベン・アフレック、ヘンリー・カビル、エイミー・アダムス、ガル・ガドット、エズラ・ミラー、ジェイソン・モモア、レイ・フィッシャー、ジェレミー・アイアンズ、ダイアン・レイン、コニー・ニールセン、J.K. シモンズ、アンバー・ハード、ジョー・モートン、デビッド・シューリス、マイケル・マケルハットン、ジャック・ヤン、ホルト・マッキャラニー、ビリー・クラダップ、ロビン・ライト、ジェシー・アイゼンバーグ、ジョー・マンガニエロ
声の出演: キアラン・ハインズ


Justice_League_2017

続きを読む

スター・ウォーズ/最後のジェダイ 

『スター・ウォーズ』シリーズの再始動は、あいだにスピンオフを挟むようになってしまったため、これまで以上にストーリーが混乱する感がある。今回も『ローグ・ワン』の印象がまだ強く残っているため、その続きと錯覚してしまうが、『ローグ・ワン』と本作のあいだには、最初の三部作とさらにエピソード7の時間が経っているのだ。そのため、開巻しばらくはそのときの記憶をさぐりさぐりの鑑賞となってしまう。
そうやって記憶を掘り起こすことで「そうだ。ここにはもうハン・ソロはいないのだ」と思い出す。エピソード7で衝撃の展開にうちひしがれたのだったが、やっとその傷も癒えてきたというのに、また同じショックを味わう。これはもしかしたら今後、『スター・ウォーズ』の新作を見るたびに感じることになるのかもしれない。さらにいえば、本作で驚愕の宇宙遊泳を果たしたレイアも現実の世界で旅立ってしまっており、本作が遺作となってしまった。
時の流れとはいえ、やはり40年も続こうとする実写版の物語で時代を描くことは、喪失感を伴わざるを得ないのであろう。

■STAR WARS: THE LAST JEDI 2017年 アメリカ映画
監督・脚本:ライアン・ジョンソン
製作総指揮:J.J. エイブラムス、トム・カーノウスキー、ジェイソン・マクガトリン
キャラクター創造:ジョージ・ルーカス
音楽:ジョン・ウィリアムズ
出演:マーク・ハミル、キャリー・フィッシャー、アダム・ドライバー、デイジー・リドリー、ジョン・ボイエガ、オスカー・アイザック、アンディ・サーキス、ルピタ・ニョンゴ、ドーナル・グリーソン、アンソニー・ダニエルズ、グウェンドリン・クリスティー、ケリー・マリー・トラン、ローラ・ダーン、ヨーナス・スオタモ、ジミー・ヴィー、ベニチオ・デル・トロ、ビリー・ロード、ワーウィック・デイビス、ハーマイオニー・コーフィールド、ティム・ローズ、ベロニカ・ンゴー、ジャスティン・セロー、ゲイリー・バーロウ、トム・ハーディ、フランク・オズ、ジョセフ・ゴードン=レビット


STAR_WARS_saigo_no_JEDI_2017

続きを読む

兄に愛されすぎて困ってます 

もちろんその前か知っている人は知っていたのだろうけれども、 自分のなかでは土屋太鳳に注目しだしたのは、2016年の『オールスター感謝祭』で行われた赤坂5丁目ミニマラソンに出場し、バラエティーの1コーナーらしからぬ感涙を呼ぶ激走を見せたときからである。はっきりはわからないが、その従順なひたむきさが見えた姿に心を打たれた人も多かったのではないだろうか。
本作の役柄が一途で真面目な印象を持つ土屋太鳳に合致している。また、憧れの人と兄のあいだで揺れ動く右往左往の気持ちもストレートな表現で気持ちがよい。あいかわらず憧れの人・芹川高嶺役の千葉雄大はいけ好かないやつを好演。

■兄に愛されすぎて困ってます 2017年 日本映画
監督:河合勇人
原作:夜神里奈
脚本:松田裕子
出演:土屋太鳳、片寄涼太、千葉雄大、 草川拓弥、 杉野遥亮、 大野いと、 YOU、 神尾楓珠、 森高愛、 川津明日香、 越智ゆらの、 近江谷太朗、横溝菜帆、荒木飛羽、堀越太輝、小林亮太、鈴木仁、堀みづき、立花恵理、溝口恵、一木美里、福間文香、土佐寛、呑山仁奈子、しのへけいこ、池田恵理、瀬田 ミナコ、かなで、夏子、中西悠綺、坂田梨香子、葉加瀬マイ、小宮健太郎、七美あずさ、フランク玲美、神原明果、大山実連、望月真由、川瀬賢也、横山萌、金 子昇太、山本明保、金子満咲、中西愛、奥崎愛野


ANI_NI_AISARESUGITE_KOMATTEMASU

続きを読む

パパVS新しいパパ 2 

母親が再婚をした場合の新しい父親と元の父親が共存する、新しい家族形態の提示を、コメディーという枠にはめることでお気軽に楽しみながら学ぶことができる。再婚をして多少複雑な家族関係になってしまった場合に鑑賞すると、抱えている問題は解決しないかもしれないが、笑うことで気持ちが楽になることだろう。
ラストにはハートウォームコメディーにお決まりの「ありきたり」な感動も用意されているので、前作に続いて、誰もが安心して楽しめる一作となっている。
なお、クライマックスでバンドエイドの「Do They Know It's Christmas?」の大合唱となるが、本作を見終わった後には誰もが、この曲をCDの棚から引っぱり出してきて聴くことになること必至である。

■DADDY'S HOME 2 2017年 アメリカ映画
監督:ショーン・アンダース
製作:ウィル・フェレル、アダム・マッケイ、クリス・ヘンチー、ジョン・モリス、ケビン・メシック
製作総指揮:モリー・アレン、ショーン・アンダース、マーク・ウォールバーグ、スティーブン・レビンソン
キャラクター創造:ブライアン・バーンズ
脚本:ショーン・アンダース、ジョン・モリス
出演:ウィル・フェレル、マーク・ウォールバーグ、リンダ・カーデリーニ、ジョン・シナ、ジョン・リスゴー、メル・ギブソン


daddys_home_two_2017

続きを読む