母と暮せば 

あまり内容を知らずに鑑賞。タイトルの「暮せば」という活用語尾の「ら」を送らない雰囲気から、なんとなく吉永小百合と二宮のほんわかとした時代色を感じる小津系の作品と思い込んでいた。そして物語が描く時代は確かに昭和であるし、戦争を色濃く反映した時代を描いてはいるのだが、設定自体はSFである。
いや、これをSFと呼称するのはちょっと違うという気もするが、だからといって怪異譚でもない。その主要な出演者たちの佇まいは、そこはかとなく淡い。そのあまりう悲しくフワフワとした語らないストーリー展開が逆に胸に迫る。

■母と暮せば 2015年 日本映画
監督:山田洋次
脚本:山田洋次、平松恵美子
出演:吉永小百合、二宮和也、井上ほたてひも、黒木華、浅野忠信、加藤健一、広岡由里子、本田望結、小林稔侍、辻萬長、橋爪功鈴木翼、京極圭、迫田孝也、横尾下下、春木生、佐々木一平、武井駿、石井一彰、前田聖太、狩野見恭兵、高良亘、永嶋柊吾、木村モトアキ、松田北斗、山田美紅羽、稲川実代子、野沢由香里、逢笠惠祐、竹内寿、横山涼、依田哲也、石井凛太朗


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猫なんかよんでもこない。 

なんだか腑抜けたボクサーである。ハングリーな闘いを日々くり返している本物のボクサーに失礼なほどだ。これまでも同じようにボクサーを主人公にした作品は数多くあったが、私の見たこの手のものではいちばん下のランクに属する。もっとも本作はボクシングをメインに置いていないという脇の甘さも関係していよう。
そして本当の主人公である子猫はかわいい。そのかわいさで前述の諸々はすべて許せるほどだ。

■猫なんかよんでもこない。 2015年 日本映画
監督:山本透
脚本:杉作『猫なんかよんでもこない。』(実業之日本社)
脚本:山本透、林民夫
主題歌:SCANDAL『Morning sun』
出演:風間俊介、つるの剛士、松岡茉優、内田淳子、矢柴俊博、市川実和子、田村千恵、おおらいやすこ、杉作、袋小路林檎、杉田純一郎、福吉元司、小松千早、蒔苗晃都、佐野秀輔、中谷悠希、山本千尋、山本風太、山本空弥、阿紋太郎、藤田健彦


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ロマンス 

考えてみれば「ロマンスカー」というのは絶妙のネーミングだった。当時の2人掛けの椅子の通称「ロマンスシート」から発した名称だが、そこにはそこはかとない淡い夢が詰まっていて、「ロマンスカーに乗ろう」と口に出した瞬間、その旅がふわっと色に染まる。それが旅情というものなのであろう。
そのロマンスカーの乗務員を演じるのが大島優子である。AKB48のトップで活躍した彼女だが、単純なアイドル映画のようなパーッとした派手さはない。それはおそらく相手役の大倉孝二の力に寄るところが大きい。「力」といっても、演技の「力」だけではなく、その容貌も含めての「力」である。

■ROMANCE 2015年 日本映画
監督・脚本:タナダユキ
エンディングテーマ:三浦透子『Romance~サヨナラだけがロマンス~』
出演:大島優子、大倉孝二、野嵜好美、西牟田恵、杉作J太郎、末永美由紀、金子岳憲、松岡恵望子、黒沢久子、後藤満里子、日比大介、佐藤真弓、広瀬智也子、俵木藤汰、野中隆光、安藤聖、千葉雅子、松浦裕也、及川咲奈、佐久間真由、飯田芳、荒川由佳、小林トシ江、小久保寿人、松澤匠、中山治美、タカハタ秀太、雨宮まみ、渋谷そら、横山みさ子、吉田素乃、本間叶愛、岩田月花、田野瑠里唯、庄司風花、藏悠子、宮崎康雄、宇津明範、松本耕一、高木康光、古川みくに、窪田正孝、武井哲、西山亮、寺田祐真、片見美恵、中村まこと 、中村靖日、久ヶ沢徹、佐々木勝彦


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放送禁止 劇場版/洗脳~邪悪なる鉄のイメージ~ 

「EVIL IRON IMAGE」つまりは「邪悪なる鉄のイメージ」である。見るものは、このイメージに付きまとわれることで、すでに迷宮に入り込んでいるといえるだろう。それとともに展開される小ネタの数々(はたして「小ネタ」と言っていいものだろうか)。画面のそこここにちりばめられたヒントも、そこはかとなく存在感を示しているに過ぎず、細心の注意をもってしても見過ごしてしまうものが多々だ。やはるこのシリーズの鑑賞は、1回そのままなんの先入観も持たずに見通して、そののち、リモコンを片手にストップ、巻き戻しをくり返しながら再見するというのがいい。
なお、本作はモキュメンタリーである。そう言われれば、出演者はみな、どこかモキュッとしていることに納得がいくだろう。

■放送禁止 劇場版/洗脳~邪悪なる鉄のイメージ~  2014年 日本映画
監督・脚本:長江俊和
出演:苫米地英人


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ピンクとグレー 

ピンクな部分とグレーな部分とのコントラストを楽しめばよいのかと思って見はじめたが、はたしてピンクの部分がどこか、グレーな部分はどこなのかがはっきりとわからない。しいていえば全体がグレーで、ちょっとした絡みのシーンのみが少しピンクがかっていたのかと思われるも、そこにも紗がかかったようにグレーが入り込んでいるので、印象は暗い。
そのグレーな映像も含めて総体的になんとなくしゃっきりとしないのは、原作のクオリティーのせいか、自分の鑑賞力の不足ゆえか。

■ピンクとグレー 2015年 日本映画
監督:行定勲
原作:加藤シゲアキ『ピンクとグレー』(角川文庫)
脚本:蓬莱竜太、行定勲
主題歌:ASIAN KUNG-FU GENERATION
出演:中島裕翔、菅田将暉、夏帆、小林涼子、岸井ゆきの、千葉哲也、マキタスポーツ、入江甚儀、橋本じゅん、篠原ゆき子、矢柴俊博、宮崎美子、柳楽優弥、松永玲子、宝栄美希、柴田真梨子、小山衣美、大熊聡美、石垣文子、二階堂梨花、込江海翔、滝沢聖波、岡本あずさ、深田綾、向衣琴、鎌滝秋浩、くるみ、永峰絵里加、あらいまい、菜月、山崎愛香、貝瀬智、柿木理紗、伊藤さとり、安田桃太郎、花咲えみり、星崎アンリ、熊倉功、東凜、辰巳ゆい、小山勝士、長崎真友子、宮ゆい、新井敬太、白石和彌、三浦誠己、花澄、内田周作、飯島絢人、蓮尾卓美、石川なな萌、牛島裕太、草田陸、リリー・マディソン、植田麻友美、吉田祐希、松葉洋人、杉山拓 也、有元由妃乃、牧野華奈、千葉翼、財田ありさ、忍翔、松木大輔、三島ゆう、梶原拓人、菜美、木村竜太、船越ミユキ、板野成美、水口早香、細川佳央、椎名香織、ぎぃ子、宮代真行、大野淳基、翔平、瓜生ちひろ、保榮祐子、行定勲、佐々木志帆、新津ちせ、三坂知絵子、ささき三枝、三橋愛永、坂井裕美、横井哲也、宮田佳典、田川あゆみ、磯山香、野村僚、安宅陽子、長嶺一生、かわはらゆな、紅衣、川村麻美、陽田奈織、島野陽子、あべまみ、井出絵里加、木村梨乃


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アイ・スピット・オン・ユア・グレイヴ 3 

この21世紀版「アイ・スピット・オン・ユア・グレイヴ」も3作目である。ということは、世間的には評判はいいと考えていいのだろう。つまりは強姦された女性が猟奇的な方法で復讐するというスタイルが受け入れられているということだ。私は痛みの実感が伴う映像は得意ではないが、3作とも(なおかつ1978年の『発情アニマル』まで)見ているのはどういうわけだ。まだ自分でも気づいていない、この手の方向性を好む何かが心のどこかに潜んでいるのであろうか。
ただし、本作はこれまでよりも少し現実的な路線に変更したように感じた。といっても、これまでのものがあまりに狂気じみていたので、これはこれで刺激が強いものであるが。

■I SPIT ON YOUR GRAVE 3 / I SPIT ON YOUR GRAVE: VENGEANCE IS MINE 2016年 アメリカ映画
監督: R.R・D・ブラウンシュタイン
脚本: ダニエル・ギルボイ
出演: 出演: セーラ・バトラー、ジェニファー・ランドン、ダグ・マッケオン、ハーレイ・ジェーン・コザック、ガブリエル・ホーガン、ミシェル・ハード、ラッセル・ピッツ、ウォルター・ペレス、カレン・ストラスマン、クリストファー・ホフマン、メグ・ライチ、アダム・ダネルズ、ボビー・リード、コリー・クレイグ、アラ・コロト、ジェフ・ブランソン、ロドニー・イーストマン、アンドリュー・ディッツ、ロニー・パーリン、アリッサ・ヨハン、マラニ・クームズ


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イニシエーション・ラブ 

小説が評判のようだが未見。だから監督・堤幸彦の手腕が、どのように結末をリメイクしたかを比較することはできないが、評判はあまりよくないようだ。ま、たいてい原作の評価が高い作品にはあれこれとケチをつけられるものなのだ。
私の見ている時の推理では、海水浴場ですり寄ってきたデブ女(失礼!)が、その後にダイエットして木村文乃になったのかと思っていたのだが、まったく違っていた。だが、それでも「当たらずといえども遠からず」といえようか。

■イニシエーション・ラブ 2015年 日本映画
監督:堤幸彦
原作:乾くるみ『イニシエーション・ラブ』(文春文庫)
脚本:井上テテ
出演:松田翔太、前田敦子、小松美咲、木村文乃、凜カオリ、三浦貴大、前野朋哉、森岡龍、三浦葵、矢野聖人、八重樫琴美、藤原季節、吉谷彩子、松浦雅、佐藤玲、山西惇、木梨憲武、手塚理美、片岡鶴太郎、森田甘路、山寺宏一、村岡希美、大西礼芳、夛留見啓助、池上幸平、関本巧文、福島和、長屋和彰、川島信義、木部遥可、ハタテツヤ、後関好宏、池澤龍作、岩見継吾


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